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安彦良和-WORLD パンくずリスト WorkList-Illustration リスト クラッシャージョウ・連帯惑星ピザンの危機
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クラッシャージョウ
「連帯惑星ピザンの危機」
安彦良和(イラスト) 高千穂遙(著)

クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機
連帯惑星ピザンの危機 (クラッシャージョウ1)
amazon.co.jp
■出版社

出版データへ株式会社朝日ソノラマ
出版データへ株式会社朝日ソノラマ 改訂版
出版データへ早川書房 改訂版

■関連サイト

関連サイトへ早川書房 公式サイト
関連サイトへ高千穂遙 公式サイト

01.作品データ

1977年、朝日ソノラマより刊行
2000年、加筆修正された改訂版刊行、表紙イラストも差替
2008年、早川書房から加筆修正された改訂版刊行、表紙イラスト差替及び、口絵(見開き2ページ)の描きおろし

02.安彦良和氏の仕事

キャラクターデザイン、表紙カバーイラスト、挿絵・・・「連帯惑星ピザンの危機」では表紙イラスト他、10点の挿絵。尚、表紙は2000年改訂の際に同じ構図で描きなおされている。挿絵は今見ると流石に時代を感じさせる。元が鉛筆画なので荒削りな線画だが、まだ成長段階にある安彦初期のイラストが楽しめる。

この作品は安彦氏にとって初めての小説挿絵仕事。高千穂遙氏のたっての希望からコンビが実現、この作品がノベルの新たな潮流を生み出した。

安彦氏と高千穂氏が最初に組んだ作品は「勇者ライディーン」(出会いはもう少し遡るが定かではない)安彦氏がキャラクターデザイン、高千穂氏がスタジオぬえ(旧CAS)の営業兼設定アドバイザーとして参加していた。この頃から安彦氏の原画タッチに強烈な個性を感じていた高千穂氏は、クラッシャージョウを書くにあたって安彦氏の絵をイメージしたという。

ある日喫茶店で偶然であった際に、高千穂氏は安彦氏にオファーを入れる。安彦氏は二つ返事でOKしたようだが、その時は冗談だと思っていたらしく、後日、朝日ソノラマの担当に了解を得て正式に依頼をかけた際に、安彦氏は仰天したという話だ。(参考:講談社・安彦良和画集)

注・・・ただし、安彦氏のコメントでは、高千穂氏の奥さんに頼まれたといっている。サンライズ(旧創映社)のスタジオが狭い喫茶店の2階にあり、事務をやっていた奥さんが、「今度うちの主人が小説でデビューするので挿絵を描いてくれないか?」と依頼されたとある(2005年ライトノベル完全読本・インタビュー記事)

アニメーターを小説のイラストレーターとして起用するケースは、この当時では初めてのことではなかっただろうか?今ではこの作品が絵つき小説としての「ライトノベル」の元祖であるという声もある(余談ですが、高千穂氏は「ライトノベル」というジャンルを勝手に作るなと怒っているらしい・・・参考2004年10月号「SFマガジン」対談)

いずれにしろ、この二人がコンビを組むことは、二人にとって大いにプラスになったと思う。「クラッシャージョウ」はその後人気を博して劇場アニメーションまで作られる大作になるのだから。

当時、安彦氏は鉛筆画だと印刷できないのではと、断る理由に挙げていたようだが、高千穂氏は鉛筆画の原画をコピーし、それにトーンを張ることを提案。トーンの削り方なども安彦氏に伝授したという。こうしたエピソードを知ると、初期の頃の安彦氏の新たなことに取り組む工夫が偲ばれますよね。

03.物語のあらすじ

西暦2161年、人類は恒星間飛行を可能にし、多くの太陽系に植民して銀河連合をつくっていた。その宇宙開拓を担ったのが「クラッシャー」と呼ばれる男たちである。危険物の輸送から惑星改造まで、依頼されれば何でもこなす宇宙のエキスパートだ。その一人、若いが腕利きのジョウは三人の仲間とともに連帯惑星ピザンに向かっていた。王女アルフィンの依頼で、反乱軍からピザンを奪還するために。

04.物語について

文章は非常に読みやすい。量も多くないので一冊読むのにそう時間はかからないだろう。物語の舞台は未来の銀河系。設定としては銀河系に人類が進出して、惑星改造を短期間にこなし、惑星国家をつくるような時代。テラフォーミングだとか、ワープ航法だとか、荒唐無稽、壮大な夢想で昭和の時代に想像された舞台設定らしい。

2007年の現代から思えば、150年程度の先にそんな時代がくるとは到底考えられない。今ですらようやく火星に探査機送って調査している程度ですもの。宇宙へ進出・・・そんな時代が来る前に、環境破壊で人類は絶滅している気がしますね。

ストーリーの展開については、一つ難関をクリアすると、すぐに新たな難関が立ちふさがる。目まぐるしく息もつかせない展開は面白いが、延々と続くと疲れてくる。また、オリジナルの作品が古いこともあるだろうが、どこかで見たような展開はありきたりで残念ながら目新しさは感じられない。

劇中ではチームが二手に分かれて、同じ時間軸を別の視点で描いたりするので、イライラさせられる部分もある。もちろんそういった部分を端折るわけにはいかないだろうが、脇役の活躍に興味がもてず、先に話を進めてほしい時は多少苦痛を感じる。

今回改めて読み直したが、さすがに昔読んだ頃の記憶はサッパリ残っていなかった。大まかな流れは覚えているが、細部はこんな展開だったか・・・?という状態。でもまあ、SFな世界に浸り夢想するにはいい媒体かもです。できるなら、後の記憶に残るような教訓とか、感動があると嬉しいのですが。
2007-06-16 shinji
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