安彦良和作品ガイド

安彦良和画集

安彦良和 (著) / ㈱講談社

書籍詳細データ 出版データ詳細

おすすめ度: ★★★☆☆

安彦良和画集

安彦良和画集




●子供の頃、この画集が欲しくってしょうがなかったんですが、当時の子供が気軽に買える値段ではなく(1800円)、何度も財布の中身と相談しながらどうしようかとウロウロし(買ったら電車代なくなって家に帰れなかったんですよね(笑)、結局本屋で立ち読みしていたのを覚えています。最近になって、もう絶版になって買えないだろうなと思っていた矢先に、復刻版が販売されていることに気づき、購入いたしました。

さて、この画集は現在(2003年1月)三冊刊行されている安彦先生の最初の画集にあたります。収録されているのは1980年前後に発表された作品で、初期のサンライズ作品や小説の表紙&挿絵、そしてやはり、というべきか「ガンダム」「アリオン」からの出典が中心となっている。

まだ、安彦先生がイラストを書き始めた矢先での出版であり、作品数がかなり限られているため、本の半分は、「クムクム」「白い牙」などのキャラクター設定、自分史、座談会など、かなり苦しいページ埋めの構成になってしまっている。もっとも、本書で初公開されているような貴重なデータも含まれており、ファンなら楽しめる内容にはなっている。

画集を見ていただければ、現在のタッチとかなり違うことがわかると思う。どことなく油絵チックで丸みを帯びた人物画は、当時のイラストとしては斬新なスタイルで、多くの人をひきつける魅力があり、他のコミック作家やアニメーター諸氏にも多大な影響を与え、類似キャラクターが生まれたりもしたのだ。

新たな「コミックアート」分野を切り開いた、第一人者としての安彦先生の作品。復刻版は少々値が張るが、一度見る価値は充分有りと思います。
2004/12/05改訂 shinji

【出典】

・扉画・・・アニメージュ全員プレゼント・バッグ・イラスト1点
・「機動戦士ガンダム」・・・27点
・「シアトル喧嘩エレジー」・・・2点
・「勇者ライディーン」・・・3点
・「アリオン」・・・13点
・「クラッシャージョウ」・・・9点
・「ダーティペア」・・・5点
・「異世界の勇士」・・・1点
・「白い牙」・・・11点
・「超電磁ロボ・コンバトラーV」・・・2点
・「無敵超人ザンボット3」・・・1点
・「わんぱく大昔クムクム」・・・1点

■安彦良和・アニメイラスト
・1点描き下ろし
・「クムクム」についてコメント/キャラクター対比表/キャラクター設定など
・「北極のスージー」(仮題)登場人物設定/イメージボード/
・「白い牙」キャラクター下書き/イメージボード

■サンライズ企画室と僕と企画書
・「パパーマン」企画ネタ/イラスト

■僕の描いていた漫画のこと
・「遥かなるタホ河の流れ」当時の漫画を公開/コメント

■クラッシャージョウ/ダーティペア挿絵集
・イラスト24点

■お好み座談会
・吾妻ひでお・高千穂遥・安彦良和「北海道生まれの絵かきは最高」

■コメント寄稿
・富野喜幸「繊細な線の隠しごと」
・高千穂遥「安彦さんとの出会い」
・いがらしゆみこ「安彦良和さんへ」

■富野ソーカントクのこと/高千穂遥氏のこと/いがらしゆみこさんのこと/吾妻ひでおさんのこと・・・安彦氏からのコメント

■ちょっとノスタルジックな・・・自分・小史 イラスト25点

■あとがき/イラスト1点/略歴

【初期版と復刻版とのちがい】

初期と復刻との違いは・・・

    1)巻末に改めて安彦先生の後書きが追加されている点
    2)新しく描きおこした折込ミニポスターが付録として追加されている点



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