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虹色のトロツキー 安彦良和 (著)
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■この作品は1990年から1996年にかけて月刊「コミックトム」(後コミックトムプラスに誌名変更・2001年廃刊)に連載されていました。掲載されていたトムという雑誌は「三国志」などの歴史を扱った作品が多い特色のある漫画雑誌で、連載陣も横山光輝氏・手塚治虫氏など強力な個性を持つ作家達がいました。歴史系の作品を得意分野としている安彦氏にとっては、相手にとって不足なし。プレッシャーもあったかも知れませんが、意欲的な歴史作品を発表するには打ってつけの場だったのではないかと考えます。 01.舞台について ■昭和13年(1938年)6月、第二次大戦前の世界情勢の混沌とした昭和初期、日露戦争後、日本が大陸の権益確保に乗り出し、関東軍を中心とした満州事変を経て建国されたばかりの満州国、そして国策で造られた建国大学が序盤の舞台だ。 そもそも満州国、ましてや「建国大学」を舞台に描いた漫画というのは初めての体験。少々敷居の高さを感じさせるが、読み始めれば大した知識が無くても大丈夫。しかし、何も知らずに読むよりは、あらかじめ時代背景を簡単にでも整理しておく方がより面白みは増すと考えるので、少し調べた内容をメモ書き。 ■満州国の位置は図1のとおり。白地図にマウスで引いたので、かなり国境範囲がいい加減になってしまったがお許しを。正確でないと許せない方は「満州国」をキーワードに検索すれば正確なマップが参照できると思いますよ。
02.時代背景について ■また、当時は明治以降激動の時代、欧米・アジア諸国が野心を持って激しく領土とその権益を争奪しており、そこに共産主義や宗教という主義主張が入り込み混沌としておりました。満州国はその争奪戦の主戦場の一つとなり多くの悲劇を残しました。第二次大戦後はソ連に占領され、後に中華民国へ返還されましたが、そういった当時の情勢を簡単にまとめ、日本が満州国を使って何をしようとしていたのかを挙げてみました。
1930年頃の世界恐慌と、凶作による日本経済の疲弊、明治以降の人口増、こういった問題を解決するために国家レベルの口減らしとして、日本は満州に開拓民を入植させた背景があります。また、一方ではロシアの南下政策により、外蒙(モンゴル)が独立、ロシアの衛星国と化し、新疆方面も属国化しようとしている状況。ロシア共産圏の脅威に対して日本としては満州を死守する必要性があった、というのがこの物語の背景である。このことは、物語中にも語られるが、頭の片隅に覚えておくと話がわかりやすいと思う。 さて、少々時代背景の説明が長くなったので、別ページで登場人物や、物語について語りたいと思います。つづく・・・(現在執筆中につきしばしお待ちを) 2006/08/09 shinji
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