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機動戦士ガンダムUCユニコーン
MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN
0096/Final Sect 虹の彼方に 4

福井晴敏 (著)・安彦良和(キャラクターデザイン)

  1. ユニコーンガイド キーワード集 [1] [2]
  2. プロローグ
  3. 0096/sect.1 ユニコーンの日 [1] [2] [3] [4] [5]
  4. 0096/sect.2 赤い彗星 [1] [2] [3]
  5. 0096/sect.3 パラオ攻略戦 [1][2][3]
  6. 0096/sect.4 ラプラスの亡霊 [1][2][3]
  7. 0096/sect.5 重力の井戸の底で [1][2][3]
  8. 0096/sect.6 黒いユニコーン [1][2][3]
  9. 0096/sect.7 宇宙と惑星と [1][2][3]
  10. 0096/FinalSect 虹の彼方に [1][2][3][4]
8 宇宙と惑星と 機動戦士ガンダムUC (8) 宇宙と惑星と UC7巻 黒いユニコーン

可能性の獣が 月と地球の狭間を駆けた

最終回「虹の彼方に 4」 67ページの掲載(挿絵含む)。今月でいよいよ最終回です。航宙戦艦メガラニカは通信ポイントへ向けて航行中。サイアムと別れを告げたバナージとミネバは通信モジュールへと向かうが、フル・フロンタルが行く手を阻む。バナージとフロンタル、二人の生身の戦いが始まるが戦いはもつれ、ついにはMSでのラストバトルへ。一方、メガラニカに照準を合わせるコロニーレーザーは、秒読み段階へ入っていた。未来へとつなぐ「可能性」は世界の人々へ届くのか?!

ユニブロNo,26は、L・M・リルケ「オルフォイスへのソネット」第二部4の詩片を掲載。それと編集担当の後書き。

プラモ関係では、バンダイホビー事業部のプロジェクトUCについて。1/144HGUCクシャトリアの試作品、[S-HCM Pro]と[ROBOT魂] 各バージョンのユニコーン試作品を掲載。それ以外にはカプセルトイ(塗装済みフィギア)が10月発売予定、STANDart:シリーズ、ガンダムウォーカードといった、商品展開を紹介。

2009年冬、機動戦士ガンダムUCユニコーンのアニメ化については8ページの記事。リディ、マリーダのキャラデザ画、リゼル、ジェガン系、クシャトリア、ギラ・ズール各MS画が掲載されました。



01.物語について

本当に・・・シャアなのか・・・? 

サイアムと別れを告げたバナージとミネバは、再びユニコーンを駆り通信ブロックへと向かいつつあった。通路の狭まった場所でユニコーンを降り、不安げに進む二人。その二人の前にフロンタルが立ちはだかる。

可能性など必要ない、「箱」の開放をやめろと告げるフロンタル。バナージとフロンタルの間に殺気がみなぎり、銃砲がこだまする。顔面を打ち抜かれたはずのフロンタルだが、彼は傷を押さえながらも立ち上がり、深淵の闇を語り続ける。この記憶は一体誰のものなのか・・・?本物のシャアだと言うのか? しかし、それを遮るようにミネバはフロンタルの正体を明かすのだった。

一方、メガラニカが動き出して以来、エコーズとの連絡も途絶え、ユニコーンとも連絡が取れないオットーは焦りを感じていた。そんな時リディから通信がネェル・アーガマへと入る。コロニーレーザーがこの宙域を照準していると伝える声に、オットーは愕然とする。そんな中でも、アルベルトは「可能性」がある限り、自分が出来ること、すべきことを行うと決意し、マーサを止めるべく試行錯誤していた。

チェックポイントバナージVSフロンタル、生身の戦いが始まります。この辺は予想の範囲内でしょうか。人の「可能性」を全否定し、絶望に囚われているフロンタル。「アクシズの奇跡」を目の当たりにしても人は変わらないと知った彼は、未来に希望はない、人は暗黒の闇に変えるだけの存在と断じています。

「アクシズの奇跡」を語るこの記憶はシャア本人のものなのか・・・?フロンタルは一体何者なのか?薄暗い怪物の存在に恐怖を感じるバナージ。しかし、ミネバはここでフロンタルの正体、モナハンが造りだした強化人間だと明かす。サイド共栄圏を実現するための手駒を欲したモナハン、組織の求心力を欲したネオ・ジオン。両者の利害が一致し、ただの強化人間をシャアの再来としたのだった。

フロンタルの正体のオチは、ただの強化人間のオッサンでしたと。シャアのクローンだとか、シャア本人だとか、うやむやにして終わらすとか、色々と想像しましたが、本人だと非難轟々でしたでしょうから、まあ無難なオチでしたね。しかし、その強化人間に宿った怨念は誰のものなのかは、明確にはしておらず、もしかしたらシャアの魂っぽいかも、といったオチも加えられています。

いつまで人真似をしているつもりだ!

フロンタルに止めをさせず取り逃がしたバナージ。シナンジュに乗り込む前に決着をつけようと彼を追う。工場ブロックで対峙する二人、生身の激しい戦いが続く。フロンタルの攻撃の前にピンチが続くバナージ。何とか窮地を脱したのも束の間、残骸に紛れたシナンジュの銃口に捕まる。

可能性を否定するフロンタルに、何も出来ない臆病な操り人形と吐き捨てるバナージ。怒りと動揺に身を揺るがすシナンジュ。銃口が今にもビームをはき出そうとしたとき、バナージの窮地を救ったのはガエルだった。

チェックポイント生身の対決はフェンシングではなく、鉄パイプ対決でした。まあ、ファーストの流れからしてラストの生身対決は必須と思っていましたが、まんまパクッてくるとは思いませんでした。しかし、顔面打ち抜かれてたら、普通はもう動けないと思いますが、絶望しまくっているくせに、フロンタルは元気ですよね。防戦一方で、ユニコなしでは手も足も出ないバナージですが、これは訓練していたわけでもないので仕方ないでしょうか。

追い込まれた末、シナンジュに捕まってしまうバナージを救ったのは、死んだと思っていたガエル。これは意外でしたね。ロトと一緒に消滅したはずなのに無傷で再登場ってどうなのでしょう? しかも、再登場も束の間、すぐにシナンジュに打ち抜かれて消滅死って(苦笑) 福井さん、扱いがかわいそ過ぎるでしょ。


亡霊は、暗黒に帰れぇっ!

窮地を救ったガエルだったが、シナンジュに打ち抜かれて消滅死する。その様を直視したバナージは意識が弾け、白熱した声を受けたユニコーンが起動する。メガラニカの外には風のようにバナージの声が吹き抜ける。次いでメガラニカから飛び出す機体の影。ユニコーンとシナンジュが高速で激突する。

損壊しているシナンジュのはずだが、その攻撃力は衰えるどころか、いっそう軽やかに舞い踊る!シナンジュに圧されるユニコーン、バナージの中に凶暴な熱が吹き上げる。しかし、白熱するバナージの意識に語りかける声が・・・、それはマリーダであり、ダグザであり、カーディアスの声だった。

皆の声に、自分を委ねようとするバナージだが、器になってはフロンタルと同じ、自分を投げ出すなと複数の声が語りかける。そして、リディやトライスターも応援に駆けつけ、バナージを支援する。形勢逆転、追い込まれるフロンタルに爆発的な閃光が刺し貫いた。最後の捨て台詞を残し闇に消えるフロンタル・・・。

・・・戦いは終わったが、バナージは凍てつく気配に身をすくませるのだった。

チェックポイントここでフロンタルとの戦いに終止符。サイコフレームの神秘の力に集められた、今まで亡くなった人の魂がバナージを支え、強敵に立ち向かうという話の流れは、「Z」じゃないの?と思う方も多いでしょう。福井さん、「Z」も好きみたいでしたから、またパクッてしまったのでしょうね。なんと言うべきか、オカルトチックなストーリーになってしまいましたねえ・・・。

そして、呪縛から解放されたリディと共闘し、ラストシューティングでシナンジュを打ち破るダブルヒーローで、めでたしめでたし、といった流れだったのですが、まだコロニーレーザーの件が残っています。リディに退避を告げられるバナージでしたが、そこでフロンタルが言い残した言葉の意味を理解します。果たしてバナージの選択した答えは・・・?


「ラプラスの箱」は、おれが守る。守ってみせる!

場面は「カフカスの森」へ。そこでは、正体を現したモナハンと、マーサ、ローナンが通信で駆け引きをしていた。「袖付き」が存在したことで連邦の経済も回っていた、第二の「袖付き」を用意することもできると、交渉を持ちかけるモナハン。見返りは共和国解体期限の延長・・・、更にフロンタルのような「象徴」ならいくらでも造れると続けるモナハンに、ローナンは我慢の限界に達する。

モナハンの言を一蹴し、コロニーレーザーを二度使うことも出来るとローナンは言い切る。「サイド3を焼く」と暗に示されたモナハンは、負け惜しみの言葉を残し通信を切った。

メガラニカに照準を合わせるコロニーレーザー。いつ発射されるか分からない状況の中、メガラニカを去るか、全世界へ呼びかけるか選択を迫られる。メガラニカを失えば、全世界へ呼びかけるチャンスは失われよう。そうなれば全てが水泡に帰してしまう・・・。

それでも、バナージは諦めなかった。メガラニカの周囲にサイコ・フィールドのバリアーを張る。未知数の可能性にかけるバナージ。「箱」の真実を伝えていく、可能性の灯を繋げなければ・・・。

チェックポイントゲーム感覚で世界を動かそうとするモナハン・バハロ。新たなフロンタルを造りだし、再び旧来からの仕組みを回そうという所業に、マーサもローナンもあきれ果てる。モナハンの言葉に怒りも限界に達したローナンは、コロニーレーザーを使ってズムシティを焼くことも出来ると、モナハンを一蹴する。

メガラニカではこのまま残るか、去るかの選択を迫られていた。ミネバはこの一ヶ月、オードリー・バーンとして生きた時間に想いを馳せる。ザビ家の血筋に縛られた心の牢獄から解放された一時。ザビ家の末裔としてでなく、一個の人間として自分が必要とされる場を求めていた。「私のたった一つの望み」今、その時間も失われようとしている。・・・そんなミネバの絶望感を振り払うように、バナージは語りかける。「箱」は自分が守ってみせると。

もっとも、サイコフィールド自体が未知の世界なので、コロニーレーザーの膨大なエネルギーを弾き返せるのか疑問ではありますが、もはやストーリーは何でもありな展開になってきてますからねえ。まあ、助かっちゃうンでしょうけど。


バナージ・リンクスは、世界を見た。

ネェル・アーガマから打ち出されるユニコーンの予備資材やパーツ群。アルベルトもベースジャバーに搭載してきた資材をばらまくことに協力する。バナージを信じ、メガラニカに残るミネバやエコーズ隊。そして、それを見守るリディも、今は百年の呪いが祈りに変わる瞬間を見届けたいと、バナージに協力してその場に残ることに。

メガラニカを覆うように輝く球体が出現。コクピットのバナージは共鳴する光の中で数々の想いを馳せ、きっと帰ると心に誓う。

ついに発射されるコロニーレーザー。不可視の閃光は射線上の物体を呑み込んでゆく。フロンタルからの連絡を待つレウルーラも一瞬の間に吹き飛ばされる。そして、サイコフレーム材の群れがザワリと揺れると共に、止めどない光がユニコーンに押し寄せ、バナージの視界を塗りつぶした。

チェックポイント現場にアルベルトやリディがいると分かりながらも、無情にもコロニーレーザーは発射される。あらゆるものを一瞬に消滅させながら不可視の閃光は突き進む。その光の渦を真っ向から受け止めたユニコーン。意識がはじけ飛び、バナージは時を遡り、過去と未来の時間の中、虹の彼方を駆けめぐる。

このあとはエピローグ、果たしてメガラニカは無事だったのか?ミネバの声は全世界に届くのか?そして、壁となったバナージの生死は?ラストはあなたの目で確かめてくださいね。


まとめ。全10巻という長編ストーリー。まずは福井さんにご苦労さまでしたと労いたいです。全体を通して、起伏に富んだ物語で楽しく読めました。ガンダム世界を俯瞰しつつ、バナージ達若者の心の成長を描き、可能性をつないでゆく物語というスタンスは成功したのではないでしょうか。若者の青臭い主張と、中年の絶望感との対比が面白かったかも。ターゲットの中年層が読めば若かった頃の想い出と、現在の身動き取れない重たさが身にしみて物語により入り込みやすいのかも知れません。

しかし一方で、「ファースト」や「Z」を下敷きにしているので、ストーリーの構成展開、場面状況に似たような場面が出てきたり、セリフをそのまま利用したりと、よく言えばパロディ、悪く言えばパクリのような作り方に、ちょっと閉口する部分も多々ありました。スタート時点で、新しい可能性を模索すると宣言されていたので、今まで読んだこともない新たな切り口のガンダムだと、期待を持ちすぎたのが悪かったのかも知れません。あと、特にラストでは話がグダグダと長すぎましたね。もっとコンパクトに書けると思うのですが、読んでてまだ終わらないのか・・・?と不安になったくらいです。

キャラクターもそれぞれ魅力的で、バナージのヘタレっぷりも面白かった、アルベルトの屈折ぶりや、アンジェロのサイコっぷりもよかった。リディやミネバは好きになれなかったけれど、どのキャラクターもキャラ立ちできてて存在感がありましたね。

最後に、イラストについてですが、安彦さんが途中降板したのはとても痛かったのですが、後を継いだ虎哉さんも最初は酷かったけど、かなり練習したと思え、後半は安定したイラストだったと思います。あれだけのバッシングの嵐の中、プレッシャーに負けず最後まで描いた心意気にプロ意識を感じました。虎哉さんにもご苦労様でしたと伝えたいです。ありがとうございました。
2009/07/05 shinji

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