01.エピソード1「ユニコーンの日」
■2010年2月20日イベント上映プレミアレビュー、PlayStation®Storeでの先行配信を経て、2010年3月12日、いよいよ一般向けOVA(DVD&BD)の販売が始まりました。
私が選択したのはBD版。いい音で聞きたいな、というのが選択理由です。先行してプレミアレビューを見た方の評判は上々のようで、少し期待をしつつ鑑賞いたしました。その結果・・・
- 60分は短すぎる。あっという間に終わってしまう。小説での2巻分を凝縮しており、細かい設定やストーリーの詳細はバッサリと、潔いほど切り捨てている。故に「説明不足」という言葉がぴったり当てはまる。せめて2時間ほどのシャクが欲しかった。
- あまりに説明不足なので初見殺しといいますか、いったい何が起こっているのか、さっぱり状況が理解できないまま終わってしまう人が多いのではないでしょうか。事前でも事後でもかまいませんが、小説を読んだほうが状況や人間関係を理解しやすいでしょう。
- アニメーションの方向性は、細かい説明は全部切り捨てて、アクション部分に焦点を当てていると思った方がいいでしょうね。OVA6本枠の時間と予算、限られたリソースを生かすため、細かい人間関係のヒダを感じたいなら、それは小説を読んでくれ、ということでしょう。つまり、見せるメディアにあわせた「選択と集中」という、制作側の判断。
- キャラクターは、安彦良和氏原案を高橋久美子氏が改めて描き起こしたもの。ちょっと原案より幼くなった感じがしますね。バナージは髪がボサボサで野暮ったい感じがするのと、オードリーの衣装とかもうちょっと何とかして欲しかった気がしますが、タクヤとミコットなんかはいい感じになってました。
ジンネマンをはじめとしたオッサンクルー達や、カーディアス、ガエルなどのオッサンキャラも安彦風味でいい感じです。オッサンクルー達に関しては、オードリー追跡時にバナージのハロ攻撃(?)にビビッてましたけど、演出的な違和感はそこだけでした。
あと、バンクロフト先生が小説よりも活躍してましたね。爆風で蒸発するところもちゃんと描かれてましたし、彼も本望だったでしょう。
残念なのは、リディをはじめとしたネェル・アーガマの面々や、ダグザたちがほとんど描かれず、台詞もなかったことでしょうかね。
- エピソード1のみどころは、やはりMS戦。そしてクシャトリア!
クシャトリアの重厚感が出てて、動くときのゴゴゴゴゴ!という感じが凄かったと思います。冒頭のクシャVSジェガンの序盤戦も力が入ってましたし、後半のコロニー内部での戦い、ラストのユニコーンとの戦いも気合い入ってたと思います。
- ユニコーンはラストでようやく起動し、ガンダム形態へ変形したところで終了、クシャトリアとの初戦は次回へ持ち越し。
・・・といったところでしょうか。映像的には丁寧に描かれていると思います。しかし、冒頭からラプラス官邸内の車が道の真ん中で停止していたり、カメラマンをはじめとした観衆が微動だにしないなど、コスト的な問題からか手抜きに感じられる部分もある。また、そうした静止画に横パンスクロール入れると、ガガガガと画像がぶれて凄い状態になっちゃうのだが、何とかならなかったのだろうか?技術的な問題なんでしょうかね?
また、時間的な問題からか、重要キャラである連邦側の描写が割愛されていて、今後の展開に支障が出ないのかちょっと心配。
やはり、OVAではなく、26話程度のTVアニメで放送するべき題材だったかもしれませんね。ちょっと駆け足が早すぎて、ボリュームのある原作を消化し切れてない感じ。次巻の展開に期待しましょうか