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虹色のトロツキー
安彦良和(著)

我々を裁くことができるのは
歴史的真実だけなのよ!

虹色のトロツキー (3)
(中公文庫―コミック版)
amazon.co.jp

01.ハルビンへ

第三巻では、亡命者「ゲンナジ・ヤン・ミリューコフ」に会うため、ハルビンへ入るところからスタート。このミリューコフが何者なのか?両親を襲撃した事件の真相を知るものなのか?いよいよ物語の核心に迫るのだろうか?。

一方で、ウムボルトと辻の動向に動揺する、ユダヤ人民会・評議員のカバルスキーは、ソ連のコミンテルンに妨害工作(ウムボルト抹殺)を依頼するのだった。この巻では、様々な人物が登場し、自分勝手に主義主張を振り回して行動するため、事態はどんどん混沌とした方向へ流れてゆく。ウムボルトは状況に流され、その行く着く先は、袋小路で抜けられない破滅への道へと続いていた。

安彦氏はここでかなり横道に突っ走りはじめる。もともと「冒険モノ的」な要素を取り込みたかったことや、抗日連や馬賊の描写もストーリーに盛り込みたかったのだろう。しかし、本筋からそれたために、この物語の核であった「父親の事件の謎」の部分がぼやけてしまったというか、もう半ばどうでもいいような気分になってくるのが残念なところだ。

さて、今回の序盤で押さえておきたいところは・・・

 辻少佐の思惑(石原の計画?)
  • 極東ソ連を叩き、沿海州を奪取。その地をユダヤ人自治区とし、指導者に「トロツキー」をすえる。
  • ソ連と日本との緩衝地帯に利用するのが目的だが、カバルスキーに対しては、ヒトラーやスターリンに迫害されるユダヤ人の備えとして「祖国」が欲しくないのかと甘言を使う。

 カバルスキーの思惑
  • 辻と石原が画策する危険な「トロツキー計画」に巻き込まれたくない=ユダヤ人の立場を複雑にし、在ソ同胞を苦しめる。
  • このような計画は、辻少佐に実行できないだろう、またトロツキーも動きはしないと考えている。
 ソ連の女スパイの思惑
  • ウムボルトをハバロフスクに連行し、トロツキーが日本の指導者とどう結びついているか、法廷で証言に立たせる=トロツキーの犯罪性を立証する資料が欲しい。
  • これにより、反革命分子を芋ずる式に抹殺できる。
このあたりは覚えておきたいところ。結局肝心の「ミリューコフ」は役にも立たず、あっという間に物語から退場。しかし面会の際、辻少佐の言動から、ウムボルトは「父の事件」の首謀者について、察しがついてしまうのだった。(この辺勘が良すぎる気もしますが・・・)

02.抗日聯軍との合流

辻の胡散臭さから、一人警察署から立ち去るウムボルト。しかし単独行動が裏目に出て、ソ連の女スパイに拉致されてしまう。もともとカバルスキーが暗殺するよう仕向けたものだが、彼女には別の目的があった。とどのつまり、依頼どおり殺さず、トロツキーを告発し、反革命分子を一掃するために、ウムボルトを利用しようと考えたのだ。

ウムボルトにとっては不幸中の幸い(替え玉で殺された人はお気の毒だが)、この思惑のズレのおかげで命拾いすることに。連行される船の中で暴れるウムボルト。この混乱の合い間にジャムツらが襲撃、江防艦からの砲撃も重なり、ウムボルトは脱出に成功する。

ジャムツは、通遼で会って以降もウムボルトの動向を追っていたようだ。ジャムツと合流したウムボルトはその後、第二路軍の聖域「赤い大地」(木蘭の東)へと至る。しかし、そこでは西征に向かったはずの「宋丁良」の部隊が留まっていた。

抗聯第七軍をあっさり制圧したジャムツだが、既に抗日聯軍自体がジリ貧、日本の作戦にはまり、窮地に追い込まれている状況だった。弱気になっているジャムツは、新たな指導者としてウムボルトに共に闘うよう呼びかける。

しかし、ウムボルトの頭をよぎるのは、建大での友人達との思い。日本の全部とではなく、本当の敵とだけ闘いたい。日本人はみな「東条」や「甘粕」ではない、いい日本人もいる、そういう日本人とは一緒に何かができる、闘って傷つけあう必要なんてないんだ!と告げるのだった。

そんなウムボルトを「建大ボケ」と笑うジャムツ。そしてある事実をウムボルトにつきつけようとするが、ウムボルトはその言葉をさえぎる。その事実にウムボルトは既に気がついていた。「父、深見圭介を殺したのは関東軍」だということを。

建大での思いと、トロツキー計画に関わった父を抹殺した軍への怒り。反する日本に対する二つの思いに揺れるウムボルトだったが、彼を否応なしに運命を分かつ事件が起ころうとしていた。

ストーリーの合い間に物語に関係ないようなエロいシーンがあったりするのですが、まあそこは賛否両論か?。このあたりは、アクション的な要素も含めながらちょっとドキドキ感を楽しみつつ読みたいところ。

ウムボルトの揺れる思いにも同意できて、このあたりの展開はなかなか巧み。そしてウムボルトを煽るジャムツはここにきてちょっと病的な部分が出てきてます。「じれったいな!」と半ば切れるシーンは、蛇の[シャーーー!!]というカンジの表情で笑わせてくれます。この後ジャムツには悲惨な体験が待ち受けているのですが・・・。

03.楠部金吉キター!

夜に紛れてジャムツ達を包囲する憲兵大尉・楠部金吉。ようやくジャムツを捕まえて意気揚々と暴行を加える楠部。ボコられるジャムツは虫の息、そんな様子を見かねたウムボルトは主人公らしく楠部に立ち向かいます。

この楠部、柱を蹴り崩すパワーの持ち主。なんとなく超人的な気配を見せてくれるのでこのままウムボルトものされるのか?と思いきや、逆にウムボルトにボコられる展開。うーん、期待はずれです、金吉さん。しかし、ここで日本人を殺してしまったウムボルトは行き詰ることに。結局、宋丁良の申し出により、行動を共にすることに・・・。

04.そして馬賊に・・・

その頃、建大では新聞に建大生の水死体記事が載り、ウムボルトの安否が心配されていた。替え玉だと信じて疑わない辻少佐は、再度荒い直せと部下に命令し、自身はハルピン~黒河周辺の調査に赴く。その目的は、ハルビンのユダヤ人自治州で動乱を起こし、沿海州を奪取することにあった。果たして謎の中国人に扮する辻は、黒龍江岸に嵐を呼ぶのだろうか?

一方、ウムボルト。宋丁良たちと共に「五族協和」の旗を掲げ、馬賊となって要所を襲う活動を行ったいた。「我々は、この国の間違いを正す義軍だ!」と叫んでいるものの、やってることは力による制圧と解放なんですよねえ・・・。

満州人を追い出して暮らしている日本人村を襲撃したり、ウムボルト自身苦悩してはいるものの、主人公としていかがなものか?という状態。読んでても鬱になるし、ストーリーの展開も泥沼で袋小路に入りつつあるような危機感を覚えます。安彦先生、大丈夫でしょうか?

追い込まれたウムボルトは、謝文東の部隊と合流しようという宋丁良の提案にのることに。昭和十三年十二月初頭、松花江が凍てつくのを待ち、河を押し渡るウムボルトたち。果たして、謝文東との合流で道が開けるのでしょうか?

2007-08-13 shinji
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