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虹色のトロツキー
安彦良和(著)

トロツキーという幻
追いかけても追いかけても
つかまらない
蜃気楼や虹のように・・・
虹色のトロツキー  6
虹色のトロツキー (6)
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01.魔都上海とトロツキー

安江大佐からの指示で警備実習地から上海入りするウムボルト。久々に会った安江が告げたことは、伊寧[イーニン]で深見圭介が接触したトロツキーは「偽物」だと考えているということ。そしてその人物が偽物なのかどうか、ウムボルト自身で調べろということだった。亡命ユダヤ人「L..D.ブロンシュティン」、この人物が鍵を握る男らしく、ウムボルトは虹口[ホンキュウ]の百老路[ブロードウェイ・ロード]に向かう。

「L..D.ブロンシュティン」はつまり、「レフ・ダヴィドビッチ・ブロンシュティン」、トロツキーの本名である。ウムボルトが虹口に向かい見たその男は、実はトロツキーを演じる物真似芸人だった。既にトロツキーの「偽物」であることは確定しているが、要はその男が、ウムボルトの「記憶の男」と同一人物なのかどうか?、つまり、深見圭介が会っていたトロツキーが「偽物」の方だったということを安江は立証したかったのだ。

しかし、ウムボルトの朧気な記憶ではそれを立証できようはずもない。案内人の手引きにより、夜半に阿片取引を行っているというダヴィッドに直接会うことにするウムボルト。深見圭介の名前を出して、彼がその名を忘れていないのならば会おうとするだろう・・・。現場に訪れるウムボルトに緊張が走る、ダヴィッドが「記憶の男」なのか?それとも・・・?

長い間の紆余曲折を経て、ようやくトロツキーの謎も核心に迫る。しかしそれはあまりにも肩透かしな結果に・・・。これだけ話を引っ張っておいて、読者側も盛り上がっているところなのに、なんともモヤモヤとしたスッキリしない結末。しかも川島芳子も現場に乗り込んできてトドメを刺してくれるので、真相は藪の中・・・冷や水ぶっかけられた感じです。まあ、みなまで言わずとも空気読めということなんでしょうが・・・。

その後、安江の元に報告に戻ったウムボルトは、川島芳子の乱入事件を利用して彼に嘘を告げるのだった。安江はそれを嘘と直感するが、ウムボルトは父母の無念を晴らすため、意地になって裏切り行為に走ってしまった。これで安江の信頼は失うことになってしまうだろうが、父母が犬死にしたことを認めたくないウムボルトにとっては、他に選びようのない選択肢だったのだろう。

02.李香蘭

川島芳子と再会したウムボルトは、彼女のパーティに誘われる。そこで彼は麗花によく似た女性を見かける。川島芳子に紹介されたその女性は李香蘭(山口淑子)だった。彼女は日本人だが中国人ということにしている。日蒙のハーフであるウムボルトも同じような境遇で、二人は僅かな時間心を通わせるのだった。

ここはストーリーの流れから言えば、本流から外れた蛇足的な展開。以前「まんが夜話」で、いしかわじゅん曰く、なぜ李香蘭が出てくるのかわからない、と言っていたのを思い出すが、まあ、単純に安彦さんが描きたかったので、話の谷間に挿話したのだろうと考えられる。こうした必然性のない有名人の登場に難色を示す読者もいるが、歴史が好きだとか、いろいろな展開を楽しめるという観点から見れば、これもまあ許容範囲なのかなと思うのだが、皆さんいかがでしょうかね?

その会場でジョンジュルジャップに再会するウムボルト。その付き人として現れた男、ジャムツとも再会する(どういうつながりでジョンとジャムツが一緒に行動しているのかは読み取れない)

その夜、ホテルに泊まるウムボルトに謎の暴漢が襲いかかる。何者が差し向けた刺客のなのか?・・・もしもトロツキーの手下だとしたら、「伊寧のトロツキー」ではないというウムボルトの証言が正しかったことになる・・・報告を受けた安江大佐は思案を巡らすが、そんな安江の様子を見て、同行する犬塚大佐は「陸軍の方々は謀略的関心が強すぎる」と告げる。みんながトロツキーの幻に踊らされている、追いかけても追いかけても捕まらない蜃気楼や虹のようなもの・・・所詮一人の無力なユダヤ人亡命者にすぎないのではないかと。

一方、辻少佐のその後については・・・河で釣りをする日々だったようです(笑)しかし、昭和14年5月、ハルハ河国境付近で外蒙と交戦が始まる。しかも外蒙にはソ連の後方支援がついていた。ソ連と聞いた辻はノモンハンへと向かう。

その頃、列車の中でジャムツに出会ったウムボルトは、再び同志になるようジャムツに迫られる。ウルジンの動向と安江の動きをスパイするように告げるが、当然ウムボルトはこれを拒否する。学校へ戻ろうとするウムボルトに、ジャムツは麗花がいると、引き留めるが・・・再開した麗花は既にジャムツの同志的愛情(いわゆる暴行)によって洗脳されていたのだった。

久々に出てきたジャムツですが、なんと小憎たらしい存在なのでしょう。表情なんかも人間らしい思考を失って狂気が入っていますね。そして歯が欠けているところがどこか間抜けた感じで妙な味を出しています。

さて、この物語の最大のキモである「トロツキーの謎」は一旦この巻でまとまったカンジですが、物語はまだ終わりません。いよいよノモンハンでの小競り合いも始まり、物語も終盤へ突入。混沌とした泥沼へと突き進みます。果たしてウムボルトと麗花は幸せになれるんでしょうかねえ?

2007-09-16 shinji
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