安彦良和-WORLD WorkList-Illustration 機動戦士ガンダムユニコーン[ Prologue] |
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メディア展開期待は、映画化がダントツ1位。ストーリーの展開的には映画が理想的かも。
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宇宙世紀の始原に秘められた謎とは?■いよいよ「ガンダムエース2007年2月号」(角川書店刊)から連載開始された「機動戦士ガンダムUC」、今回は物語の導入部となるプロローグ。カラー32ページとノッケから力が入っており、安彦氏も表紙1ページを含む8点の挿絵で物語をビジュアル面で支えます。福井氏の文章もそんなに癖も無くスラスラと読みやすいと思いました。ただ、話の流れ上で括弧書きを多用されていたのが少し気になったかな。
01.挿絵について ■挿絵は1月号で掲載されたキャラクター紹介のイラストを見ていたので、そのイメージの延長上で考えていましたが、実際には色数も少なく、表紙なんかは鉛筆書きの下絵(と思われる)に軽く水彩で色づけされていました。 「石と笛」の時のような、もっとガッシリとした描写を期待していましたが、思ったよりもラフな印象でしたね。これは作業時間的な問題なのか、それとも小説の挿絵なのでタッチを少し変えているのか・・・。キャラクターのイメージスケッチ、例えば今回で言うとカーディアス・ビストのイラストの色使いなんかは気に入っているんですけどねえ。16ページのサイアムが見上げる1頁もののイラストは大きいんだけど、全体に黒がノペ~としたカンジで(宇宙空間だからしょうがないんですけど)構図も今ひとつ面白くない。 今、危惧している点は、次回以降は白黒イラストになっちゃうンだろうか?ということ。ガンプラやSEED系にカラーページ割くくらいなら、ユニコーンの誌面をカラーに持ってきてもらうほうがいいかな。ただ毎回カラーイラストだと安彦先生が辛くなるかなあ~。 02.物語について ■舞台は、今まさに西暦(AD)から宇宙世紀(UC)に時代が移ろうとしている大晦日の夜、地球と宇宙との架け橋となるべく地球軌道上に設けられた空飛ぶ官邸「ラプラス」である。メインキャラクターははこの物語のキーマンと思われる男「サイアム・ビスト」だ。 物語は思っていたより重厚な雰囲気。ちょっと重たい幕開けですね。今回のメインキャラであるサイアムが下層階級の人物で、生活にあえぎ、生きるためにやむなく地下組織の活動に手を染めてしまうという設定が、貧富の二極化が進む我々の現実世界とリンクしているようで妙なリアル感がある。また官邸ラプラスへのテロも、現実の9・11同時多発テロを彷彿とさせるし、地球環境の汚染なども我々の生々しい現実問題につながっている。今回の物語は、より読み手にリアル感を持たせるために、現実の問題や事象と意図的にリンクさせているところもあるのかな? 一方、世界観をしっかりと確立するために、時代背景や人物・設備設定などわりと細かいところまで設定していてちょっと感心。読んでいるだけだと流してしまいそうだけど、タイプしていると(下段に簡単な設定一覧を作成)丁寧に世界観を作ろうとしていることがよく分かる。プロローグの内容だけでは当然不十分だろうけど、本編の中で充実してゆくだろう。まあ、いきなり序盤で情報を詰め込まれたとしても読者が疲れるだけだろうしね。 プロローグは後半、0001年から0096年へ一気に飛ぶ。時代の遷移スパンが一気に飛びすぎるが、メインに置かれるのがこの年代と思われる(主人公のバナージは0096年の人物だし)。この時代サイアムはスッカリお爺さん。元年当時17歳(だっけ?)なので0096年では113歳。普通は成仏しそうな年齢だが、冷凍睡眠装置で20歳ほど老化をかせいでるので未だに生き延びてはいる。 官邸「ラプラス」破壊後、手に入れた「ラプラスの箱」の力で地球連邦政府やアナハイムのような大企業とつながり、ビスト財団を築き上げたサイアムだが、余命が終わる前に「箱」を解放しようとする。 この「箱」を巡って、連邦政府、アナハイム、ビスト財団それぞれが争う展開になるのか?「箱」が開かれたとき訪れる世界の転機とは?・・・「箱」の謎と、今後の展開に期待感が高まります。最初に福井氏が言われたように、大人が読める充実した世界観を構築しつつ、魅力あるキャラクターが活躍する物語にして欲しいですね。次号は本編スタート「ユニコーンの日」メインキャラクター達が登場するとのこと。 03.登場人物ほか一覧 ■キーワード集はこちら
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