安彦良和-WORLD WorkList-Illustration 機動戦士ガンダムユニコーン[ 0096/sect.1ユニコーンの日 5] |
|||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||
|
恐れるな 信じろ 自分の中の可能性を■今回は第1章のクライマックスとあってページ数増量。カラー26ページ(前回までのあらすじ1ページ分含む)+モノクロ32ページの構成。福井さん気合入ってます!
なお、ユニ・ブロ3ページ内では、sect.1をキーワードを中心にダイジェストでまとめ。カトキハジメによるメカ解説ページ2頁では、主役機「RX-0 UNICORN GUNDAM (ユニコーンガンダム)」について記載されている。また、2007/5/27時点で公式Webサイトのほうも更新されている。 01.挿絵について ■今号の安彦先生の挿絵はカラー4点(扉絵1点含む)、白黒2点が掲載。 ■扉絵はユニコーンVSクシャトリアの図。ユニコーンの「NT-D」が発動し、ガンダム顔に変型した勇姿がインパクトあります。つーか、気を持たせといて変型させるンかよ!?みたいな。1本ヅノがV字に分かれて金色に!全体にちょっとゴテゴテしたデザインなので作画するのは大変かも。 今回の企画が今までにない可能性を探る、みたいな話でしたから、主役機も今までと違うガンダムを目指しているものと思っていたのですが・・・。蓋を開けたらやっぱりガンダム顔からは逃れられない運命だったのですねえ。でも、変型時に発光するのは斬新ですよね。その目立つ隙間を目印に攻撃されたら、肝心のフレームに直撃しちゃう気もしますが・・・。 ■2点目のカラー挿絵は、流れ弾の爆発に巻き込まれるバナージとミコットの図。特に感慨はなし。 ■3点目はユニコーンのコクピットに向かうバナージの図。そびえたつユニコーンがカッコイイ。 ■4点目はコクピット内でのカーディアスとバナージが向き合う図。父子の別れの場面ですね。背景は液晶パネルになるのでしょうが、省略されていて妙な空白が気になります。 ■5点目の挿絵はカラーで変型するユニコーンの図。ガンダムフェイスが展開してゆく様を3コマで表現。2コマ目のオープンする部分が黒くつぶされているので実際どういう風にスライドするのかわからんのですが・・・残念。開いたガンダム顔がちょっとデカ顔になってるような気もします。 ■6点目はカラーで、フル・フロンタルとアンジェロ大尉の図。7話目にしてようやく出演することが出来たフルちん。中世風の衣装に、ちょっとポッチャリ体型?やっぱりヘンテコ仮面はウケルなあ。こんな格好して澄ましている姿は笑えますよホント。後ろに控えるアンジェロはどこかで見たようなキャラクター。どこだっけ・・・? 02.物語について ■いよいよ物語も第一章のクライマックスを迎え、ついにバナージがユニコーンに乗り込みます。そして起動したユニコーンが見せた変型は!ガンダムフェイスへの移行でした。主人公が機体に乗り込むまで7話もかけるなんて、考えて見ればかなり進行は遅い気もしますが、主人公の動機付けとか、全体の大きな流れに巻き込まれてゆく様を丁寧に描いているので、違和感は感じないですね。 さて、今回のストーリーはコロニー内の戦闘で穴が開き、空気の流出が始まったところからスタート。市民は避難するためにパニック状態に。当然バナージたちも例外ではないのですが、バナージはオードリーが気がかりで、監視についていたビスト財団のリムジンを押さえ、友人達とともにメガラニカへと向かいます。しかし、着いた先では更なる災厄がバナージたちに降りかかる・・・といった展開。 今までオードリーに軽蔑され、マリーダの威圧に屈し、カーディアスにはぞんざいに扱われ、ヘタレ全開モードだったバナージも、理不尽な人の死を目の当たりにして憤りを感じ、事態に対応しようとする姿に、ようやく主人公らしくなってきた感じがします。 ■宇宙に舞う雪 コロニーの破孔から噴き出す土砂・瓦礫・残骸といったスペースデブリが太陽光の反射にきらめく様が、コロニーの外で待機するリディには、あたかも雪のように見えている。見た目は美しいが、流れてきた物体を拡大投影するとそれは焼け焦げたベビーカー・・・。この「見た目の美しさ」と「残酷な実物」との対比があまりにもギャップがありすぎて、何とも言えない薄ら寒さを感じさせる。 また、コロニー内部の情報が断片でしか伝わらないもどかしさが、リディの緊張感をさらに引き上げ、読み手の緊張感も高まっていきます。 ■再びメガラニカへ ビスト財団のリムジンで「メガラニカ」へ舞い戻るバナージだったが、すぐそばでMSの戦闘に巻き込まれてしまう。混乱する状況と、あっけなく降りかかる死がバナージの心を揺さぶる。危機的状況にも関わらず内部に踏み込むバナージに主人公度UP。友人のタクヤやミコットは一般人扱いで呆然状態なのが残念なところ。 ■父子の別れ ここは第一章の重要場面。さまようバナージがたどり着いた先には「ユニコーン」が。そこで瀕死のカーディアスとバナージは再び出会う。カーディアスの追憶のなかに、ビスト一族の父子の微妙な関係が語られる。自身の父を反面教師に、孤独な生き方の中にも、真摯に目的を貫いて生きる道を選んだカーディアス。 しかし最後を迎える時になって、言い表せない孤独感が彼を襲う。そんなカーディアスの最後の気持ちを救ったのが、自分が切り捨てた息子バナージだったのは皮肉な結末だった。バナージの真直ぐな正義感と優しさに心打たれたカーディアスは「ユニコーン」を託すことを決意する。 主人公にしてみればあまりにも目まぐるしく急展開する事態。自分ならもう頭が混乱して事態に対応できず呆然とするしかないだろうなあ~と思う。父子の最後の邂逅もあっという間の短時間だけど、短い時間の中にも濃縮された気持ちのやり取りがあったように感じる。別れの際に流すバナージの混乱した涙が、読み手の気持ちも震わせる。 混乱した悲しみが、一方的に次の機会を唐突に奪われることへの怒りへと変わり、無秩序に死を振りまくMS(クシャトリア)を止める=排除するという強い意志につながる。それがバナージを戦闘へと向かわせる動機になるところが自然でいい。この作品の面白いところは、こうした父子のつながりとか、主人公の心のひだみたいな細かい人間の気持ちを丁寧に描写しているところがあるからなんだよね。 しかし、バナージが日常感じる「ズレ」は非常時になると打ち消され、普段見られない行動力を発揮するのは、幼少の頃に対処方法などを訓練し身につけていたからということなんですけど、幼少の頃に記憶が飛んでいるのはなにかまだ謎が仕掛けられているんでしょうかね? ■ついに「ユニコーン」がベールを脱ぐ 父子の別れと、バナージの怒りがはじけるところから物語りは一気に盛り上がり、ついに主役機ユニコーンが起動。マリーダのクシャトリアに挑む。今まで圧倒的だったクシャトリアが力負けしてしまうパワー、そして「NT-D」を起動させ変型するユニコーン、安彦先生の挿絵も入って興奮させます。ガンダム?ガンダム!?と周囲が騒ぐところはクスリと笑える場面もあって、ファーストファンなんかはこんな描写は喜ぶのでは。 圧倒的なユニコの戦闘力で、撤収するクシャトリア。事態は一旦収束に向かい、バナージはネェル・アーガマの部隊に確保される。ちなみにバナージの生き残った友人やオードリーまで、なんやかんやで、リディに救われネェル・アーガマへ乗ってますし、主人公は当面連邦側につくことになるんでしょうかね? そしてそして、ラストシーンでようやく姿を現したフルちん。へんな格好してますが、一癖も二癖もありそうです。個人的には手に汗握った満足な第一章ラストでした。これは続きが楽しみだな~。しかし、この7話分をどんな風に単行本化するのだろう?その辺りも気になるところですね。皆さんはこの第一章の展開楽しめたでしょうか?。ご感想お待ちしております。 2007/05/27 shinji
03.登場人物ほか用語一覧 ■キーワード集はこちら
|
||||||||||||||||||||||||
安彦良和-WORLD WorkList-Illustration 機動戦士ガンダムユニコーン[ 0096/sect.1ユニコーンの日 5] |