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安彦良和-WORLD ![]() ![]() 0096/sect.4 ラプラスの亡霊 3] |
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神様ってのがいるならキスしてやるよ!■「ラプラスの亡霊 3」は、ラプラス遺跡の調査中始まった異変の中、ジンネマンチームとフロンタルチームによる襲撃が始まる。相手を傷つけてしまう恐怖心から、積極的に戦えないバナージはアンジェロ&フロンタルに追い詰められてゆくが・・・。今月は挿絵など含め52ページ掲載でした。
■ユニブロ No.14は、大気圏突入についての説明と、歴代ガンダムの大気圏突入場面の事例紹介記事。尚、カトキハジメによるメカ解説はお休みです。そのほかには、ガンダムUC4巻「パラオ攻略戦」発売予告、表紙イラスト(安彦良和によるマリーダ・カトキによるクシャトリア)の発表、4巻発売記念 福井晴敏サイン会開催決定(5/10(土)有隣堂ヨドバシAKIBA店)についてのお知らせ記事がありました。 尚、余談ですがホビージャパン6月号でシナンジュの作例が掲載されるそうです。 01.物語について ■百年前の亡霊の声 前回から引き続き、百年前の演説が流れるラプラス遺跡。発信源は[ユニコーン]自体からだったが、プログラムの封印が解けたわけでもなく、一同は不気味な雰囲気に包まれる。そんな中、地球へ向かう財団のシャトル[クリムト]へ移送されるマリーダは、突き上げるような殺気をその身に感じる。敵が来る・・・! ![]() ![]() 物語では、ヘタレであったはずのオットー艦長のカブが急上昇中。状況を適切に判断し始める切れ者オヤジに変貌しつつあります。このオットーの変貌ぶりは何を意味するのか・・・。同じオヤジキャラであるダグザとかぶってくると、どちらかが物語から排除される危惧が発生するのだが・・・。 一方、マリーダのニュータイプぶりはともかく、バナージも急速に覚醒中。センサーの反応圏外にいる敵を感じ取り、いち早く動くところはだんだん頼もしさを感じてきました。 ![]() ■ジオンに背中を預けることになるとはな・・・ アイザックを駆り、単身ネェル・アーガマに向かうガエル・チャン。ジオンのMSに乗り、連邦の戦艦に仕掛けるというシチュエーションに妙な感覚を覚えつつも、ガエルは主人の仇を討つべく潜入工作を始めるが、行く手をバナージに遮られてしまう。旧世代MSとユニコーンでは相手にならないが、バナージはトドメを刺すことが出来ない。そんなバナージの消極的な戦いぶりに、ガエルは逆に喝を入れるのだった。 ![]() ![]() ![]() ■遊んでいるつもりか、貴様! ネェル・アーガマに潜入したガエルの動きに呼応して、ガランシェール部隊も動き出す。目的の最優先はマリーダの救出。そんな中、戦況を見守るジンネマンのもとにレーザー通信が入る。フロンタルが早くも戦場に到着した様子に、ジンネマンはプレッシャーを感じるのだった。 一方、ネェル・アーガマを襲撃する[ギラ・ズール]に応戦するバナージだったが、直撃を避けた攻撃では相手に致命傷を与えることはできない。そんな戦い方に苛つくダグザはバナージを一喝する。そんな状況下で一機のギラ・ズールがユニコーンに接近、後方に退がれと言う相手はギルボア・サントだった。 敵と味方、どちらも知った顔がいるバナージにとって、敵・味方で双方を簡単に区別することができない。どっちつかずの状況で、被害者であり、同時に加害者でもある自分の存在が混乱に拍車をかけるだけ・・・。混乱する思考の中、答えの出ない自問自答を繰り返すバナージだった。 ![]() ![]() 慣れない低軌道戦に喘ぐネェル・アーガマ。ガランシェール部隊に翻弄されてますが、逆にネオ・ジオン側が低軌道戦に慣れているというのはいかがなものか?戦力的に疲弊して単発的なテロ活動しか出来ない状況のネオ・ジオンが、連邦軍より訓練出来ているとは到底思えませんが・・・。単にガランシェール隊が戦い慣れているということでしょうかね? しかし、生き死にを分かつ戦場で、バナージはいつまでウジウジと混乱しているのでしょうか?今月は序盤から覚醒来てたので活躍を期待していたのだけど、やはりヘタレはヘタレということなのか?まあ、戦う相手が知った顔というのは、非常にやりにくいだろうとは思うけど、一瞬の躊躇が命取りとなる戦場で思考混乱起こしてたら、まず自分が死んでしまいますよ・・・。 読んでる側もスッキリできないモヤモヤを抱えて読み進めることになるので正直辛い。バナージには自分自身の答えを早く導き出してもらいたいものだと思います。 ![]() ■叔母さんは、やさしいんだよ・・・ いよいよ、戦場にかけつけるフロンタル隊、アンジェロは喜々として[ユニコーン]に襲いかかる。しかし後退するばかりのバナージの戦いぶりにアンジェロは怒りをつのらせる。 一方、ネェル・アーガマに潜入したガエルは移送されるマリーダを発見、襲撃を加える。ここでアルベルトとガエルが遭遇。マーサの指示で動いていたのがアルベルトであった事実にガエルは驚愕する。アルベルトの態度にキレたガエルは衝動的にトリガーを引こうとするが・・・。 ![]() ![]() 同じ種から生まれただけに、グジグジした性格はバナージに似ているアルベルト。母親違うけどビスト家にはそういう血が流れているということかな。ようやく出自がここでハッキリしたアルベルトですが、まだ外道要員として生き残るようです。これから地球に向かい、マリーダにあんなことや、そんなことまでして(マリーダの新たなマスターになるのかな?)外道の道を突き進み、バナージを絶望させるキーマンになるんだろうな。そう考えるとちょっと鬱になるなあ・・・。そういう鬱展開は勘弁してください福井さん。 ![]() ■自分で自分を決められるたった一つの部品だ。なくすなよ [シナンジュ]の攻撃にさらされる[ユニコーン]だが、バナージはいまだ煮え切らず、システムに呑み込まれる恐怖からまともに戦うことが出来ないでいる。威嚇ではなく、本気で戦わなければ助からない状況、ユニコーンがフロンタル側に渡れば、ネェル・アーガマを見逃したりはしないだろう・・・、いよいよ混乱したバナージは戦場から逃げ出してしまうのだった。 ラプラスの残骸の中に逃避するバナージ、その状況下でダグザはユニコーンから降りてしまう。コクピットの中でお荷物になるよりは、エコーズのやり方で戦うと。 そして、ダグザはバナージに伝える、生身のパイロットの心(バナージ自身)こそが、この殺戮マシーンを制御できる。およそ殺し合いとは正反対な何かがこの[ガンダム]には組み込まれている、それがラプラス・プログラムの正体ではないか?と。そして、迷い、怖れ、逃げても、自分で自分を裏切るような真似はするなと背中で語るダグザだった。 まるで子を持つ親のような心境のダグザ。未来を考える役割を持たされた若者に事後を託し、未来の可能性のために、汚れ仕事に染まった自身の命をかけるのも悪くない、その時のダグザには、軍人として任務遂行のマシーンとして生きてきた自分とは別の可能性が見えていた。袋小路の現実も、全て心の持ちようで希望にも絶望にも変わると・・・。 ![]() ![]() しかし、ダグザもちょっとした断片情報でバナージの親父がカーディアスであるとか、ラプラス・プログラムの本質がなんなのか、繋げてしまえる分析力は凄いですよね(ストーリー上、多少強引に展開させているようにも思えますが)。 ![]() ■恨むのなら父親を恨め。ぼくたちの父を [ユニコーン]を追跡し、遺跡に踏みいる[シナンジュ]、しかしダグザの罠にはまりダメージを負う。そして怒りのフロンタルの一閃がダグザに迫る!蒸発するダグザを目の当たりにしたバナージは・・・! デストロイモードに入ったユニコーンが[ギラ・ズール]に迫る。圧倒的な勢いに死の恐怖が走るアンジェロ。援護に入った[シナンジュ]共々失速し、大気圏に落下するガンダム。救援に向かうガランシェールだったが、白熱し我を失っているバナージは攻撃を加えようとライフルを向ける。今まさにトリガーが引かれようという時、一機の[ギラ・ズール]が間に滑り込んでくる。叫ぶギルボアの声に自我を取り戻すバナージだったが・・・。 大気圏突入、燃える煉獄の炎に包まれ、絶望と虚脱の奈落へと落ちてゆくバナージ。果たして彼の運命は・・・? ![]() ![]() 結構重要な語り手だったのに。これから地球で代わりになる登場人物が現れるのだろうか?ジンネマンが代わりになるのかね? 知り合い殺したうえに、アルベルトが腹違いの兄貴と知って、精神的にボロボロになったバナージ独りでは、もはやどうにもなりそうもないモンね。 一方で地球に一足早く降りたミネバは、リディに徐々に惹かれているのか、バナージとの記憶が薄れつつある(笑) 主人公のはずのバナージ、コテンパンに叩かれ絶望のどん底。福井さん、どこまでバナージを虐めるのだ。地球に降りて以降の展開が気になってしょうがない。 さて、次号は予告に載っていないので、おそらく休載と思われます。そのかわり、特別冊子が付録につく模様です。 ![]() 2008/03/30 shinji
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