安彦良和-WORLD WorkList-Illustration 機動戦士ガンダムユニコーン[0096/sect.5 重力の井戸の底で 2] |
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宇宙世紀憲章・・・百年の運命を決めた呪縛ね■「重力の井戸の底で 2」 今回は囚われのマリーダからスタート。マリーダを取り込もうとするマーサとマリーダの現実と精神世界での闘いが描写される。また、ローナンの元にはロンド・ベル司令であるブライト・ノアが訪れていた。ブライトは再び戦場へ向かう道を選択するのか? 一方、連邦政府首都ダカールへと赴いたジンネマン&バナージは、マハディ・ガーベイと会う。「箱」奪取に燃えるマハディはダカール制圧作戦を提案するが・・・今月は54ページ(挿絵等含む)の掲載。
■ユニブロ No.16は、連邦政府首都ダカールについての解説。オマケ小ネタで、電撃ホビーマガジン8月号にシナジュ&ギラ・ズールのスクラッチ品が掲載されている情報と、7月26日に「マスターグレードモデリングガイド ユニコーンガンダム編」が発売予定とのこと。 ■カトキハジメによるUCメカ解説ページ2ページでは、RGM-96X JESTAについて、片隅にサブ・フライト・システムについての解説がありました。 01.物語について ■お前は、私のマスターではない ニタ研に囚われたマリーダは、暗い格納庫のような一室に連行される。そこでマリーダはモビルスーツ「バンシィ」のパイロットになるよう強要される。マーサの態度や話しぶりから、彼女が自身のみならず、身の回り全ての人間に毒をまき散らす危険な禍々しさを感じ取る。マリーダはマーサの要求を拒否するが、更にマーサは、倉庫に横たわるMSをマリーダに示し彼女にプレッシャーを与える。そのMSとは[キュベレイ]・・・、かつてマリーダが搭乗していたMSだった。過去のトラウマをえぐり出されたマリーダはパニックに陥るのだった・・・。 マーサは[キュベレイ]を一体どこから持ち込んだんでしょうね?(張り子だったりして)そもそもマリーダが「プルツゥエルブ」だという情報をどこで知ったのやら?真っ先にそのあたりが疑問に感じました。アルベルトが「ネェル・アーガマ」で情報を知り、マーサに伝えたという可能性、ニタ研で自白剤みたいなモノを打たれて情報を引き出したとか、憶測してみました。たぶんアルベルト経由で知ったということだと思いますが・・・。 また、ここではある衝撃的な事実が。マーサとアルベルトは男女の関係であったと・・・ああ!(苦笑)マリーダの勘が鋭いというのもありますが、すぐさまマリーダに気づかれたと感じたマーサも鋭すぎでしょ。・・・しかしアルベルト、よくマーサ叔母さんを抱けましたね?・・・福井さん、近親相姦展開ですか、そうですか。マリーダのみならず、読み手も身震いしちゃいましたよ・・・寒い。 マーサの言葉の中には、「囚われた心(魂)を自由にしてやる」「解放してやる」というキーワードの他に、「男性の支配に対する敵意」みたいなニュアンスも含まれていましたね。これは「女同士」の話だから出てきた言葉なのか、マーサが個人的に抱いている感情なのか?このあたりが、ビスト財団掌握、「箱」奪取の野望に動くマーサの原動力に直結した部分なのかも知れませんね。今後、ストーリーの展開と共に、マーサの心の闇みたいなモノも深掘り描写されていくのでしょうね。 ■つまり[ラー・カイラム]を私的に使いたいとおっしゃる? メンバー制高級ゴルフ場に不釣り合いなスーツ姿の男がいた。ローナンに秘密裏に呼び出された男はロンド・ベル司令ブライト・ノアだった。しかし勿体ぶった手順で呼び出されたブライトは不快感が先に立つ。政治家が人目を忍んで会合をセッティングした以上、押しつけられるババは相当なものだろうと彼は感じ取っていた。 ようやくローナン邸へたどり着いたブライトは、通された一室で依頼を受ける。一つは、ガランシェールを見つけ出し、指示に従い処理すること。もう一つは「箱」を確保、もしくは破壊することだった。「箱」を巡る政府保守陣営とビスト財団の政争に、自らが巻き込まれることを悟るブライト。お門違いとその場の席を蹴ることは出来たが、ローナンは「ネェル・アーガマ」の窮状を切り札にブライトに突きつける。 前回にも歴史の生き証人ブライトの名前が出ていましたが、いよいよ本当に登場いたしました。本編のキャラクターを出しちゃっていいのかな?という想いもありますが、ブライトが出ることで物語がより身近に感じられてしまうから不思議です。皆さんも結構期待していたのでは?ブライト皆勤賞おめでとう(?) しかし、ブライトは完全にローナンの術中にハマってしまってますね。リディまで押しつけられて、一方的に丸め込まれて、良いようにしてやられた印象です。まあ、そうでないと物語に引きずり込めないわけですけど。大佐まで昇進して経験も豊富なのだから、ちょっとした駆け引きみたいなところも見たかったですね。 しかし、ここで一つ疑問点が。ローナン的には、息子のリディが軍に入ったり、ましてやパイロットなどという危険な任務に就くことは反対だったと思うのですが、ここではラー・カイラムに乗せてやってくれと自ら依頼している。「お目付役」という理由な訳ですが、別にリディでなくても構わなかったはず・・・。リディが言い出したことなのか、ローナンが目論んだことなのか?分かりませんが、ちょっと今までの経緯から不自然さを感じたところかな。・・・まあ、重箱の角突いてもストーリーが展開しませんけどね。 それと、ミネバがここの一節で登場しますが今月もやはり空気です。部屋に囲われたまま、ブライトのリムジンを見送るミネバ、部屋に現れたリディが突然プロポーズ。何?この展開(苦笑)・・・リディ、空気読めよ・・・と思いつつ、もうどうでもいいキャラだから、無理にミネバ出さなくてもいいですよ?福井さん、と思いました。 ■大人になったんだ。祝ったって罰は当たらんだろ ロニに連れられ連邦政府首都ダカールへ向かうバナージとジンネマン。ここがラプラス・プログラムが指定した座標だ。観光を装って議事堂周辺の下見を行うが、哨戒する飛行物体(アッシマー?)や海上巡回するジムタイプのMSなど、厳重な警戒態勢にある。ユニコーンをこの場に持ち込むのは至難の業・・・さて、どうしたモノかとジンネマンは思案にあぐねる。ロニは「父に策がある」と言うが・・・。 ホテルのスイートルームに向かった一行は、そこでマハディと対面する。ジンネマンの危惧をよそに、ダカールを制圧すると意気込むマハディ。既にフロンタルから水中MS3機の増援を受け取りその気になっている。マハディの原動力は連邦政府(というより白人に対しての憎悪っぽいが)に対する復讐心か。 ラプラス・プログラムが示す座標に対しても、カーディアスが戦争を促すために仕組んだ道程だと断じるマハディ。他人の考えを受け付けず、自らの想いで一方的に物事を断定してしまう、そんなマハディの強硬な部分に、バナージは違和感を感じる。 今までの道筋は、今まで何が起こってきたのかという歴史を知り、その上にある現実を理解すること、「原因と結果」それを知らなければ、そこから続く未来を考えることはできない。ユニコーンがパイロットの心を探ろうとするのは、何を感じたか確かめるためではないか・・・?物事を自分の都合の良いように解釈したり、見たいようにしか見ないのは危険なことだと、バナージは考え始めていた。 マハディは、続いてミネバがローナン邸に匿われていること、オーガスタに強化人間が連れ込まれたことを話し、ジンネマンに協力を迫る。自らの意思を通すためには人の弱点にも付け込むマハディの姑息さ・・・バナージはマハディへの反感を強めてゆくのだった。 夕暮れ、マハディの宿を後にしたジンネマンとバナージは、メディナ地区のカフェで休息を取る。そこでジンネマンはバナージをネオ・ジオンに誘うが、バナージは答えを出せずにいた。どちら側につくかという話ではなく、自分自身の役割と責任は何なのか?・・・まだ答えはハッキリ分からないが、「箱」をよりよく使う方法を見つけることがそれなのではないか?バナージは自らの目標を見いだし始めていた。 ここではロニやマハディの挿絵が描かれました。まあ、二人ともそれっぽいですけど、ロニはもうちょい大人っぽい感じにして欲しかった。それにロニ衣装もなんか乙女チックなんですけど・・・イメージがちょっと違うかな。やっぱり挿絵登場の前に、安彦さんのデザイン画は先に見ておきたいですね。かなり登場人物も増えて来てますし、ここらで安彦キャラデザ特集を組んで欲しいところです。GA編集部、企画宜しく。 さて、決起に燃えるマハディですが、ジンネマンと友人関係かと思ってましたが、知人レベルなんですね。マハディがネオ・ジオンのスポンサーの一人ということで、言いたいこともなかなか言えないという関係。力関係の所以か、ジンネマンが一方的にマハディに言いくるめられてるのが歯がゆいですね。 それと、マハディはもうちょい深い男かと想像していましたが、わりと表面的な面子、プライドに拘っていて、一方で妙な西洋かぶれをしているチグハグな男として描写されていて、最初のイメージとはずいぶん違う印象を持ちました。人間歳をとると頭が固くなって、偏見が強くなっていきますし、先祖代々の怨みを子供の頃から教え込まれていれば、より偏見の傾向は強くなるでしょう。マハディの強硬な気質はそういった経緯から育まれてしまった面もあるのかも知れませんね。 一方のバナージは、砂漠の冒険以降すっかり立ち直って、見違えるように成長した感じがしますね。カーディアスとサイアムが企画したガンダム史跡ツアー(?)の意図にも気づき始め、具体的では無いにしろ、自分の進むべき道を見つけ出そうとしているので応援したくなりますね。 なお、ここのパートでは「宇宙世紀憲章」の話が出てきます。わざわざクローズアップした憲章が「第九条」なのは、福井氏的に日本国憲法の九条と引っかけたかったのでしょうかね? ここでは憲章が書かれた石碑のレプリカが出ますが、挿絵にもあるように一辺1メートルほどの六角形をした巨大なオブジェ・・・それって「ラプラスの箱」じゃないんですか?と。 しかも、第九条だけがやけに具体的な文章になっている、というロニの言葉・・・これは書き換えられた事を示唆しているような。つまり本物の憲章には、現在示されている「連邦中央主権」の内容とは真逆である、「コロニー自主」が掲げられていたと。それを嫌気した一部の保守勢力がラプラス官邸を爆破させオリジナル憲章を破壊、保守勢力の作り直した憲章に差し替えられた・・・という事ですかね。つまり「箱」の正体はオリジナルの憲章だったちゅーことですか? ・・・いやいや、まさかそんな誰もが考えつくようなネタを天下の福井氏が使うわけ無いですよね。もっと読者が想像もしなかったビックリネタを披露してくれると、私は信じていますよ!!。 ■俺を踏み台にしやがった!? セントルシア沖南西千キロメートル空上にリディの目標があった。新たな配属先となった[ラー・カイラム]だ。予定通りの到着に一瞬気を緩めたリディだったが、突然の警報に驚く。味方の識別信号を出す3機のMSが接近する・・・話に聞いた新型の[ジェスタ]だろうか? すれ違うには近すぎる距離に怪訝に思うリディだったが、突如3機はエア・トランジェットを開始、デルタプラスは発生した乱気流に巻き込まれる。どうやら新人への手痛い歓迎のようだ。彼らが噂に聞くロンド・ベルの三連星か・・・リディも負けじと三連星のエア・トランジェット攻撃に挑むがその結果は・・・?。 ラー・カイラム艦長執務室に呼び出された三連星とリディ。メラン副長の説教をよそに涼しい顔をするナイジェル達。この三連星、なかなか一筋縄ではいかない跳ねっ返り共のようだ。ブライトから甲板清掃の罰を与えられた三連星は顔を曇らせながら退出するが、3人はまだリディに含むところがありそうだ。 元々UC計画のテストパイロットになるはずだった三連星だが、計画が中断され支援用量産機に乗るハメになったと語るナイジェル。しかし、その支援するはずだった[ガンダム]が敵として立ちはだかることになるかも知れないと、リディは知っていた。三連星の敵対する態度や、ブライトから突き放されたリディは、自分の立場を再認識し、妙な孤独感に苛まれるのだった。 ここのパートではロンド・ベルのトライスターが新たに登場。ファーストの黒い三連星をそのまんまパクルンですかッ福井さん、いいのかなホントに・・・面白いから私はいいんですけね。しかし、登場していきなりリディにしてやられてますから、プライドが高いわりには実戦ではほとんど驚異にならないのかも知れませんね。いきなり撃墜されそうな予感(苦笑) 三連星がどこまで活躍できるか見物です。 また、ここでは新たなMSが登場。ジェスタというアメフトをイメージしたようなマッチョスタイルなMSです。本来ならユニコーン支援用に開発されたMSなんだけど、皮肉にもユニコーンと戦うことになりそうです。 あと、艦長執務室にアムロの写真が飾られている描写が。中佐って・・・二階級特進ですか、そうですか。でも、でも私はアムロが死んだと思ってませんからッ!!福井勝手に殺すんじゃねーッ!きっと物語の終盤でひょっこりアムロらしき人物が出てくるはずだ、そう信じるぞ・・・ッッ! ■マスター、壊れちゃった フル・フロンタルとモニター越しで密会するマハディ。社交辞令に持ち上げてみせるフロンタルと、それに応じるマハディは狐と狸の化かし合いのよう。一家は[シャンブロ]の装甲に乗り一日の最後の礼拝を行う。明日以降はどうなるか分からない。いよいよ彼らの聖戦が始まろうとしているのだ。 一方、場面変わり囚われのマリーダ。マーサの少女時代の出来事か?マーサと同化したマリーダは嘆きの過去を見せつけられる。また場面一転して腐ったナメクジに犯されるマリーダ。マーサはマリーダに語りかける、耐えることはない、抵抗しろ、屈服するくらいなら壊れてしまえと・・・。マーサの言葉を受け、力を込めてのしかかってくる男を絞め殺すマリーダ、しかし、その男の顔はジンネマンだった・・・。 狂気の絶叫が施術室にこだまする。危険な状態に実験を一時停止しようとする研究者達だったが、それをマーサは時間がないと制止するのだった・・・、果たしてマリーダはどうなってしまうのか?そしてマリーダに惹き付けられつつあるアルベルトは・・・? フロンタルとマハディは、協力しつつもお互いにまったく信頼してない模様。マハディは特にフロンタルを警戒している様子です。ここではロニが父に期待される幸せを感じつつも、バナージに気持ちを寄せる描写も少し入ったりで、今後ロニとバナージがどう絡むのか見所かと。 一方のマリーダは、激しい洗脳施術を受け、自我崩壊しかけております。マーサとマリーダの互いの存在を賭けた闘いと表現されてますが、一方的にマリーダが痛めつけられているだけに思いますが・・・。マーサはドSだということですか、わかります。 マリーダの様子を見かねて逃げ出そうとするアルベルト。今のところマーサには逆らえそうもないが、マリーダに萌えてきている様子。このままアルベルトが改心してマリーダ救出してくれればいいのですが・・・。 次号はいよいよダカール制圧戦が始まりそうです。新型水中MSぜー・ズールも投入され、ラー・カイラムも参戦しそう。かなり派手な戦いになるのでしょうか?来月号の尺だけでは足りない気がしますけども、楽しみに待ちたいと思います。 2008/06/29 shinji
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