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機動戦士ガンダムユニコーン
MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN
0096/sect.4 ラプラスの亡霊 1

福井晴敏 (著)・安彦良和(キャラクターデザイン)

  1. ユニコーンガイド キーワード集 [1] [2]
  2. プロローグ
  3. 0096/sect.1 ユニコーンの日 [1] [2] [3] [4] [5]
  4. 0096/sect.2 赤い彗星 [1] [2] [3]
  5. 0096/sect.3 パラオ攻略戦 [1][2][3]
  6. 0096/sect.4 ラプラスの亡霊 [1][2][3]
  7. 0096/sect.5 重力の井戸の底で [1][2][3]
  8. 0096/sect.6 黒いユニコーン [1][2][3]
  9. 0096/sect.7 宇宙と惑星と [1][2][3]
  10. 0096/FinalSect 虹の彼方に [1][2][3][4]
機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]4 パラオ攻略戦 機動戦士ガンダムUC (4) パラオ攻略戦 ラプラスの亡霊

これからどんな現実に直面しても自分を見失うな
”それでも”と言い続けろ

新章「ラプラスの亡霊」スタート。読み手側もパラオ攻略戦が終わり一服感漂います。物語は、ジンネマンのUC0079当時の夢からスタートし、マーサの陰謀、マリーダと再会するバナージ、リディの地球降下、父ローナンとの再会などが語られる。今月は挿絵など含め38ページ掲載と短め。ストーリーもあまり進展なし、ストーリーの谷間というか穏やかな回でした。

ユニブロ No.12では、第4巻特装版(2008年4月26日発売予定)に付録される、MGユニコーンに装備出来る「ビームガトリングガン」のテストショットを紹介。また、1/12の福井氏サイン会の模様をレポートされています。

カトキハジメによるメカ解説11回目は、RGM-89S STARK JEGAN[スタークジェガン]について掲載。

尚、GA誌面には掲載されていませんが、1月26日東京・秋葉原イベントスペース「AKIBAスペース6.0」で、福井晴敏氏のトークショー&サイン会が開催され、ユニコーン誕生までの裏話や、MGユニコーンについて語られました。その中で、今後の展開として、地球に降りる展開(たぶんリディに続いてバナージ達も)や、「ジム」に相当する新しいMSを出したい、地上を歩くタイプのモビルアーマーを出したい、夏には水モノのモビルスーツが必要・・・(次第に話が膨らみすぎて「4つ足で歩くドデカいジム」という脱線話(?)にもなったとか) という情報も。

また、「機動戦士ガンダムUC」シリーズの今後のキット化については、どれがキット化されるとは言えないが、「ユニコーン」のライバルにあたるマシンを商品化したいと考えているそうです。ということは[シナンジュ]については期待できそうですね。しかし、クシャだった場合、スイカぐらいの大きさになってしまうという話も・・・。(情報元:DENGEKI Online.COM)



01.物語について

ジーク・ジオン、か・・・

整然と行き過ぎる軍の隊列、そして鳴り響くギレン・ザビのアジテーション。紙吹雪舞うUC0079、ズム・シティに若きジンネマンはいた。過ぎ去りし輝かしい日々、群衆の人垣の中に見つけた妻と娘の姿。歓声と熱気に包まれる群衆の渦に巻き込まれた妻子の姿が浮かぶ最中、緊急のコール音がジンネマンを夢から覚めさせた。

[木馬もどき]ネェル・アーガマを追うガランシェールに接近するMSがあった。それに搭乗していたのはカーディアスの懐刀だった男、ガエル・チャン。ガランシェールに合流するガエルの真意は?ジンネマンと対峙するガエルとの間に緊張が走る。

チェックポイントジオン栄光の日々も今は昔、国や家族を失い、ジンネマン自身も歳をとった。全てを失いながら、取り戻すこともできないまま漫然と生き続ける、年老いて定年を迎えたオッサンのような悲哀が描写される。一方、主カーディアスの仇討ちに燃えるガエルはアナハイムのつてを使ってガランシェールに乗り込む。互いに和解したわけではない状況で、異分子が入る格好になったガランシェール組。ジンネマンとガエルがどのように共闘するのか?はたまた反目し合い、決別することとなるのか?これからの見所でしょう。

ようこそ地球へ

一方、パラオから一路地球に向かったリディ&ミネバはついに大気圏突入。二人は地球の息吹に身を委ねつつ、カリブ海上空から北米大陸へと向かう。また、その頃ネェル・アーガマ通信室では、再びマーサに指示を仰ぐアルベルトの姿が。

マーサはアルベルトに対してLa+プログラムが示した座標宙域を調査するよう指示していた。しかし、ネェル・アーガマは度重なる戦闘で疲弊している。ようやくの帰航を妨げるなど・・・と、生死を共にしたクルーとの間に情が移りつつあるアルベルトはクルーの気持ちを考えるが、マーサはそんなアルベルトの思いすら見通したように更に指示を続けるのだった。捕虜にした強化人間を北米のオーガスタへ連行せよと。

チェックポイントデルタプラスの地球までの行程は端折られちゃいましたね。数日間は合間があったろうに・・・その間二人は何しとったンでしょうか?直接ストーリーには関係ないけど、なんだか色々想像しちゃうじゃないですか・・・。一方のアルベルトは女帝マーサの良いなり状態。La+の示す座標宙域調査や、マリーダをオーガスタへ移送する指示までされちゃいます。

マーサの指示からすると、マリーダをオーガスタで”再調整”してユニコーン2号機に乗せるということなのでしょうか?ああ、マリーダの死亡フラグが消えるどころか増えているような・・・。ハッピーな結末は見られないのかなあ・・・。

しかし、マリーダを2号機パイロットに利用することが、イコール「UC計画の達成」になるというマーサの発想が今ひとつわからないのですが・・・。2号機のNT-Dを発動させるためには、ニュータイプ能力のあるパイロットが必要だが、その人材が財団側にはいなかったということでしょうかね?(でも2号機はラプラスプログラムが入って無いのでは??と思うのですが・・・)、2号機、つまり「箱」の鍵の一つ(だとして)は財団が押さえていることで、「箱」収奪を目論む連邦側勢力に牽制することができるということだろうか?、・・・まあ、話が進めばこのあたりの意味は分かってくるのかな?

マーサも地球に降りてアルベルトと合流するみたいだし、ラスボスかと思ってたマーサは中ボスでやられて消えるかも。・・・そうなると、ラスボスはフロンタルしか残らないが・・・さて、どうなるのか?。また、新たな因縁・・・ガエルのターゲットがアルベルトのようなので、アルベルトは死亡フラグ立ちまくりですね。まあ、このタイプは生き残れそうもないけど。この先の展開が面白くなりそうです。

俺はもう二度と、ユニコーンガンダムには乗らない

ネェル・アーガマに収容された[クシャトリア]をアーロンが調査。目下アーガマ内にサイコミュに詳しい関係者はアーロンだけなので、オットーがエコーズから身柄を借り受け連れ出したのだった。サイコフレームについてアーロンが語るが、まだ未知の領域で説明の歯切れが悪い。

一方、捕虜になったマリーダの意識が戻りバナージと再会するが、心を通わせる会話もつかの間、直後に危険な状態に陥る。マリーダの容体に何も出来ず、そんな状態に追い込んだ自分自身に、バナージは再び自己嫌悪に陥るのだった。

チェックポイントここでは、アーロンが語るサイコフレームの発光現象についていくつか押さえどころをピックアップ。
  • クシャトリアのサイコフレームは古いタイプ。アナハイムから提供された試料を流用したと思われる。
  • サイコフレームの製造設備はグラナダにしかない。表向き開発中止された技術なので機密保持も含め一括管理している。ユニコーンのフレームもグラナダのアナハイム工場で製造された。
  • 開発中止になった理由は、未知の領域が大きすぎるから。
  • サイコフレームが何故光るのか?造った技術者にもわかっていない。サイコミュで増幅されたパイロットの感応波に共鳴して金属粒子レベルで鋳込まれたサイコ・チップが反応しているのは確か。乗る人間や状況によって発光パターンも異なる。感応波がオーバーロードした際に起こる現象と考えられているが、サイコミュの電圧が上がるわけではなく、感応波のレベルと発光パターンの相関性がつかめない。
  • 許容量を超えた電気を流すと電気コードが発熱して赤くなる。それと同じ原理と思われる。しかし、熱だけではなく、電気的な光というだけでもない。時に物理的なエネルギーにも転化しうる未知の光
サイコミュについて、今後裏設定を作って理由付けするのか不明ですが(まあ、ないでしょうけど)、こういう細かな設定説明はわりと好きな方で、色々想像できて面白いです。

一方、ハサン先生とバナージとの間で語られるニュータイプ論。この物語の核になる部分だと思いますけど、ここは今までいろんなところで語られたような話をまとめ、改めて付け足したような印象。目新しい話がなくてちょっと残念。

そして、マリーダを傷つけてしまったバナージは再びウジウジと混乱状態に陥ります。ああ、この男ってホント精神的に弱いヤツだな。自分で自分を追い込むマイナス思考タイプ。まあ、気を紛らわせる友人(タクヤ・ミコット)と再開したのが彼にとっては幸いだったのでしょう。

ミコットともここで仲直り。「大人目線だ」などとミコットにおだて(?)られ、「人のつながりを信じて、信じた自分に腹をくくる」などと、自分が成長したとバナージは思ったようだが、ほんのちょっと前までユニコーンに乗って「俺だけ貧乏クジ!」って荒れ狂ってたじゃないか(笑) ・・・しかし、ミコットもここでバナージへの気持ちをバッサリ切り捨てたのかな。なんかサバサバしてるようなので、女の執念ドロドロ展開が見れなくてちょっと残念かも。

言い訳はしないよ

アトランタ海軍航空基地では、二機のTINコッドIIに囲まれて、デルタプラスが着陸しようとしていた。戦線を離脱し単機で地球防衛線に侵入、普通ならば撃墜されていてもおかしくはないが、父ローナン・マーセナスの政治特権によって運良くすり抜けられたのだ。

久々に地球の重力を感じつつ、リディ&ミネバは地上に降り立つ。連邦の将官と共に出迎えるローナン、昔と変わらぬその厳格な姿勢にリディの感傷的な気分は吹き飛ばされ、再びこの難物と渡り合いミネバを護ると決意を改めるのだった。

チェックポイントここでは、マウリ中将とローナンとのやり取りが面白い。リディ救出に一役買ったマウリがローナンに恩を売り自分の権能をアピールするも、ローナンの方が一枚も二枚も上手で、「箱」とネェル・アーガマの一件について、参謀本部の手落ちを追及しマウリをやりこめてしまう。なるほど、リディの言うとおり小難しそうな人物です。これから、お坊ちゃんリディとどう絡んでくれるのか楽しみですね。しかし、ミネバは影が薄いですね。次回以降、もう少し活躍の場があればいいのですが。このままお飾りで終わって欲しくはないな。

一方、ミネバ地球降下の情報が、速くもフロンタルのもとに寄せられている。La+座標宙域に向かうネェル・アーガマを追うフロンタルとアンジェロ。座標地点は、かつて首相官邸「ラプラス」のあった宙域。今は一部の残骸が残り観光名所(観光って・・・それはどうよ?と思うけど)となっている場所。「ラプラスの亡霊」と「ラプラスの箱」この二つの関連は・・・。次号、地球軌道上で再び激闘の予感。そのまま大気圏突入シーンですかね?(ユニコーンって大気圏突入能力あるんでしょうか?)そして、マリーダの今後も気になる!
2008/01/27 shinji

03.登場人物ほか用語一覧

その他キーワード集はこちら
  • ズム・シティ・・・ジオン公国の首府
  • ギレン・ザビ・・・ジオン公王デギン・ソド・ザビの長男。後、ジオン公国の総帥にして大将。父デギンと共にジオン・ダイクンの指導する革命に参加。IQ240を誇る天才で冷静沈着、アジテーターとしても一流の才能を発揮するが、非情に徹する一面を持ち、血を分けた肉親に対しても冷酷である。
  • フィー・・・ジンネマンの妻
  • マリー・・・ジンネマンの娘
  • ダグラス・ドワイヨン・・・マーセナス家に30余年務める執事。使用人達からは、勿体ぶった仕草と高齢から「アンティーク」とあだ名されている。
  • ディクスン・メイヤー・・・連邦空軍シャイアン防空司令部士官 中佐
  • オーガスタ・・・極東のムラサメ研究所と並ぶ、北米のニュータイプ研究所。ニュータイプの究明とは名ばかりで、軍と結託し類人兵器の開発に勤しみ戦災孤児を切り刻んでいた人体実験場。0096には閉鎖されているが、稼働する最低限の設備はまだ残っている模様。
  • マウリ・・・連邦軍参謀本部 中将 最高幕僚会議に名を連ねている。ローナンの知人。リディの地球降下騒ぎの際に手を回した人物。将来の出馬のためローナンに恩を売る打算があったと思われる。
  • シャクルズ・・・サブ・フライト・システム MSの長距離推進装置

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0096/sect.4 ラプラスの亡霊 1]