安彦良和-WORLD WorkList-Illustration 機動戦士ガンダムユニコーン[ 0096/sect.4 ラプラスの亡霊 2] |
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お前は真実を知らなければならない。■「ラプラスの亡霊 2」は、UC0079のコロニー落としの記録から始まり、マーセナス一族の再会、そして「箱」にまつわる一族の宿命が語られる。一方、ラプラス・プログラムが示す座標を目指し、ネェル・アーガマ隊、ガランシェール隊、フロンタル隊が1点に集結しつつあった。今月は挿絵など含め48ページ掲載、静かに淡々とストーリーが進む印象でした。
■ユニブロ No.13は、宇宙ステーション[ラプラス]についてのおさらい記事。尚、カトキハジメによるメカ解説はお休みです。 01.物語について ■地上に空が落ちた日 UC.0079 1月10日。その日地上に空が落ちてきた。冒頭は、ジオン公国軍が行ったスペースコロニー自体を巨大な爆弾とする[ブリティッシュ作戦]の惨劇が語られる。場面かわり、UC.0096へ。マーセナス家へ護送されるミネバ、そして久々の再会というのに、黙して語らないリディ親子。二人の間には重い空気が漂っている。 やがてたどり着いたマーセナスの屋敷は厳格な雰囲気に包まれている。屋敷に飾られる肖像画には、連邦政府の初代首相[リカルド・マーセナス]など、マーセナス家の先祖が描かれズラリと並んでおり、[連邦の番人たち]である一族に異物として拒まれていると、ミネバは感じるのだった。 放蕩息子(リディ)の帰還に、執事のドワイヨンをはじめ、姉シンシアも喜びを隠さない。しかし、その二人にも家に戻るよう促されるリディ、そして、父ローナンが一族の因縁の歴史を語り始めるのだった。 冒頭のコロニー落としの件は、THE ORIGINでも描かれ、つながる部分でもあるので、平行して読むと更に面白いと思う(ビジュアル的にも補足されると思います) 一方、リディの屋敷にたどり着いたミネバだが、[連邦の番人]であるマーセナス家の重々しさに圧倒される。空中官邸ラプラスが爆破された事件、その首謀者が誰なのか?そしてテロリスト掃討の合間、マーセナス家がしてきたことは?リディの半端な知識から、憶測が語られるが、家を飛び出しローナンの後継から逃げ出したために、本当の真実を知らない、とローナンにたしなめられる。 ミネバを助けるために、確執のある父ローナンを頼ってきたリディ、しかし直接会って口を開けば嫌みばかりになってしまう・・・長年の確執が心にわだかまってしまって、素直になれないのはよく分かるけど、年齢のわりに行動が子供っぽいですね。そういうお坊ちゃんキャラクターなので、しょうがないのかも知れないけど、自分で自分の立場を悪化させるのはちょっと頭悪いかも。この男にミネバを任せてホントに大丈夫なのだろうか? そして二人きりとなったローナンとリディ。いよいよ[連邦の番人]マーセナス一族の呪われた宿命がローナンから語られる・・・といったところで寸止め。うーん、せっかく良いところだったのにお預けですか?!これじゃ、盛り上がれね~よ・・・!しかし、この家族の秘密は一子相伝だったのですね?まるで北斗し・・・ンぐ、ゴホゴホ! ここにきて新キャラ、シンシア姉登場。でも旦那のパトリック含め、重要人物ではなさそうですが、家族の微妙な心の交流が今後も描かれるのか?期待したいと思います。 ■言葉を信じてるんじゃない、自分は隊長という人間を信じてるんです。 ユニコーンが示す座標を調査するため、ネェル・アーガマは目標地点へと急ぐ。ダグザはバナージを連れ出し、再びユニコーンへ搭乗する命令する。マリーダの一件から、ユニコーンに搭乗することを激しく拒否するバナージ。しかし、タクヤ&ミコットの今後の処遇を盾に押し通されてしまう。 司令室にもどったダグザはコンロイと語りながら[スウィートウォーター]事件を回想する。内部のミスから起こった不幸な事件・・・それを「多数の安全のために、少数の犠牲を容認する」と自身を納得させたダグザ達。巨大な装置の一部品にすぎない自分達は、与えられた命令を実行するだけ、それをやりきってこそ罪も犠牲も贖われる・・・と、現実を呑み込むことで信念を貫いてきた自分、一方で現実を呑込むことが出来ず足掻くバナージの姿を見て、自身の信念が揺らぎ始めるダグザだった。 一方、ネェル・アーガマを追跡するガランシェールでは、ビスト財団のシャトル[クリムト]を捕捉していた。ネェル・アーガマに接触しようとしている[クリムト]を見て、ガエルは顔色を変える。状況が把握できないジンネマンはガエルを脅し、「箱」を巡るビスト財団の確執を白状させるのだった。 もう二度とユニコに乗るもんか!と決意していたバナージ。しかし、責任論まで持ち出され、最後はクラスメイトを盾に搭乗を強要される始末。まあ、どう見ても力関係はダグザの方が上だしねえ、バナージではとうてい勝てそうもないのが悲しい。 それでも、バナージの初々しい反応が眩しかったのか、ダグザは汚れちまった自分自身を再認識。部下の前でありながら弱音を吐いてしまう。信念の揺らぐ隊長を前に、気遣うコンロイやらの人間関係がいいですね。でもダグザのような「実はいい人」タイプのキャラクターは死亡フラグが立ちやすいのですが・・・、この先生き残れるでしょうかね? あと、ガランシェールでは、ガエルがビスト財団のお家騒動の顛末を暴露、自身の目的もジンネマンに告白。そもそも、ガランシェールにガエルを合流させた展開が少し強引だとは思いましたけど(苦笑)、そうすることによって、読者への状況再説明としてもわかりやすくなっていますし、ジンネマン側もここで財団側の状況が見えてきたっつーことで、今後のストーリーを展開しやすく整理しているわけですね。ただ、早くもガエルがジンネマン側から離脱しちゃったので、共闘とか見たかった自分にとっては残念なところです。 ■なにがあっても、君だけは守る マーセナス家でのディナーパーティーに参加するミネバ。しかし、そこは婦人後援会の海千山千のご夫人に取り囲まれる異様な時間だった。その場に馴染めないミネバだったが、リディは先のローナンとの密談のことで頭がいっぱい。その場を離れてしまう。リディを追ってテラスに向かったミネバは、リディに抱きすくめられる。 宇宙では、シャトルとネェル・アーガマが接触し、アルベルトが引き上げようとしていた。それを見送るオットーとレイアム。あれほど「箱」にこだわっていたのに、調査結果を見届けないまま引き上げるのは妙だと、レイアムは眉をひそめる。そして、捕虜(マリーダ)の北米への移送についても引っかかる部分が・・・。 宇宙でバナージが命をかけてはいずり回っている頃、リディとミネバは有閑マダムに混ざってディナーパーティに参加していた。その上、二人きりになってミネバを抱きしめてしまうリディ・・・バナージのことは忘れ去って一体何をしとるのかと(笑) これが知れたらバナージ涙目状態だろうね。 リディには父ローナンから何が伝えられたのか・・・、とても気になるのですが次号以降にお預けだからなあ~、引っ張るねえ福井さん。しかし、事態の重さに混乱してしまって「独りにするな」とか、ミネバにすがってしまうのは格好わるいよね~、軟弱すぎだろ、リディ。所詮お坊ちゃん育ち設定だから、こんなものなのでしょうか?それとも、これから強くなって成長してゆくのでしょうかね? 一方、アルベルトの動きに懸念を示すレイアム。やはり女のカンは鋭いのか?ボンヤリしているオットー艦長より、よほど読みが鋭いですね。 ■かつがれたかな。カーディアス・ビストに・・・ いよいよリレックへと向かうバナージ。今回はダグザも同行するため補助席に居座っている。ガランシェールサイドも、ガエルが[アイザック]で行動開始。目標はやはりアルベルトの捕捉。そしてマリーダ奪還にも協力しなくてはならない。 座標地点を通過するユニコーン。しかし何事も起こらない。やはり、座標に示される場所(緯度0、経度0、高度二百キロメートル)を毎日通過するラプラスの残骸[リレック]が関係するのだろうか? [リレック]に取りつき座標に再び向かうユニコーン、しかし、座標軸を通過しても何事も起こらない・・・と、思った刹那、ノイズ混じりの微かな人の声が流れ始める。UC.0001、かつて行われた官邸ラプラスでの首相演説・・・「ラプラスの亡霊」?聞き入る者達に戦慄が走る・・・。 ラプラス・プログラムが示す座標にたどり着いたバナージ一行、そこで始まった演説放送、かつて行われた演説の録音データなのか?それとも・・・・?一体これから何が起こるというのか?次号期待です。 しかし、今回「箱」の正体予想として、「ラプラス事件の真相を証明するデータのようなもの」がダグザによって「それはない」と完全否定されちゃいましたね。私は事件に関わった連邦サイドの首謀者達の血判状みたいなものと思ってたんですけど、見事に予想は砕け散りました。とすると、正体は何だというのでしょうか?案外、空っぽでしたとか、そんなオチなのかな・・・、気になります。 次号にはフロンタルも駆けつけるだろうし、ガエルの行動も加わって混戦模様になるのでしょうかね?リディ一族の秘密も気になるところ、こりゃ楽しみですね。 2008/03/01 shinji
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