安彦良和-WORLD WorkList-Illustration 機動戦士ガンダムユニコーン[0096/sect.8 虹の彼方に 1] |
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代わりに手に入ったものもあるんじゃないですか?■いよいよ最終章「虹の彼方に 1」がスタート。54ページの掲載(挿絵含む)。物語は、「箱」の確保を巡り迷走する移民評議会の会議。ローナンの必死の説得にも関わらず話し合いがもつれる中、意外な人物が現れる。一方、ラプラス・プログラムが指し示した最後の座標、インダストリアル7を目指し、ネェル・アーガマは進みつつあったが、ネオ・ジオンの艦隊は総力を持ってそれを阻止しようとしていた。手負いのネェル・アーガマに対し、圧倒的な戦力差で待ち受けるネオ・ジオン。最後の戦いが幕を開けようとしていた!
■ユニブロNO24は、MSを挙げながらファンネルの歴史を語る。 ■カトキハジメによるメカ解説は、YAMS-132 ROZEN-ZULU [ローゼンズール]の紹介、ギラ・ズール、ゼー・ズール、ギラ・ドーガなど掲載。 ■あと、ガンダム30周年を記念して発売された、ユニコーンVer.Kaのチタニウム・フィニッシュ版のホワイトメッキ加工工程について記事が2ページ掲載。 01.物語について ■女は確かめたいものなの。時間がない時は、特に 午前5時、ヤニのこもる会議室では議題の行方が混迷しつつあった。ダカール中央議事堂本館 第111委員室に集った32名の議員の面々は各政党の幹事クラスが勢揃いしていたが、「箱」を全面に押し出した発言にも関わらず、鈍い反応しか返ってこない状況に焦りを滲ませるローナン。ついにはジョン・バウアー議員の「被害妄想では?」という言葉に、自身の信念までも揺らいでしまう。そんな状況の中突然、参謀本部の将官を連れたマーサ・カーバインが現れる。とっておきの解決手段があるというマーサ、彼女の策とは一体何なのか? 会議に集った一同は、既にこの一ヶ月あまりの変事が「箱」に起因するものであることを承知していた。その総決算が迫る中、代々「箱」の秘密を共有してきた面々は自分自身に責任が降りかかることを怖れている。 そこでローナンはネオ・ジオン艦隊を殲滅し、ネェル・アーガマを帰順させた後「箱」を確保し、評議会で管理することを求めるが、世論の手前、軍の出動に尻込みする議員、マスコミにリークしたジョン・バウアー議員、再編計画に難色を示すもの、それぞれが利権がらみで好き勝手な事を言い出す始末。話はいっこうに進みそうもない。 「箱」の秘密を守ることで、長い歴史の合間に多くの犠牲が積み重なってきた。今更「箱」を公開されるなど、ローナンにとっては許せないこと。しかし、バウアー議員はその「箱」の価値をローナンほどに感じてはいなかった。「被害妄想」じゃね?という一言に愕然とするローナン。 一族の宿命として受け継ぎ、その重責を実の息子リディにまで引き継がせたローナンにとって、その一言は今までの一族の行動を全否定されるにも等しいこと。ローナンが愕然としてしまうのもしかたありませんよね。しかし、その一方で「箱」に刻まれた「文言」はただの文言にすぎず、それを大衆がどう受け止めるかは人々の心のあり方次第というのも事実。秘匿か公開、どちらが正しかったのか・・・、心をぐらつかせてしまうローナンだった。 そして、終盤やっぱり移民評議会にまで出てきた老女狐マーサ。あのままフェイドアウトしてしまうキャラとは思っていませんでしたが、ほんと、この人はどこにでも顔の利く人物なのですね。UCでは軍の上層部にコネクションがあると、何でも出来てしまいそうでちょっと怖い。で、マーサがローナンを巻き込んで提案したものとは・・・? 結局、ローナンはマーサのペースに巻き込まれっぱなしで、やり込められていますね。ローナンちょっと頑張れよ!と思ってしまいます。 ■約束しなさい。必ず戻る、私を独りにしないって ラプラス・プログラムが示した最後の座標、インダストリアル7を目指すネェル・アーガマ。しかし、彼等の行方にはムサカ級軽巡をはじめとした15隻のネオ・ジオン艦隊が待ち受けていた。増援が見込めない絶望的な状況の中、少しでも戦力が必要と、オットー艦長はフラスト達にギラ・ズールを出してくれと依頼する。 着艦デッキではネェル・アーガマから退艦する共和国軍兵がランチに乗り込んでいた。それを見送るミネバに、共和国軍の兵士は「たった一隻で戦うなど自殺行為」「なぜフロンタルの構想を否定するのか?」と問いかけるが、ミネバは否定しているわけではなく、世界を変えたいと願うなら、自分自身も変わる必要があるはず、他人の言葉に惑わされず、自身が見て、感じた事をしっかりと受け止めてゆくこと、と語るのだった。 一方、マリーダにジンネマンと話してくれと頼まれたバナージは、一人拘置室へと向かう。鍵のかかっていない拘置室で力なく座り込んでいるジンネマンに、言葉をかけるバナージだったが、ジンネマンの閉ざされた心は開かなかった。 孤立無援、手負いのネェル・アーガマ一隻で、待ち構える「袖付き」15隻の艦隊とMS70機以上を相手にしなければならない。絶望的な状況の中、オットー艦長はそれでも諦めようとはしない。一度は裏切ったガランシェール隊のフラスト達にもギラ・ズールで出撃するよう依頼するオットー。行動するかしないか、正しいか否か、判断は自らで決めてくれ、引き受けるべき責任は一人一人の中にあるはず、と語る。彼の熱い言葉に、クルー達は覚悟を決めるのだが、物語序盤では冴えない中年オヤジに過ぎなかった彼も、この事件を経て艦長として大きく成長している姿が伺えますね。その姿にクルー達もついて来るとい好循環が生まれつつあります。 また、ここでは決戦前のユニコーンが、タクヤのフルアーマープランに改修されます。かなりゴテゴテの重装備なのですが、福井さんこのシチュエーションやりたかったんでしょうねえ。さて、フルアーマーユニコーンが後半どう活躍するのか?見物です。 一方、拘束室で暗く引き籠もっているジンネマン。マリーダに頼まれて様子を見に来るバナージでしたが、マイナス思考に陥っているジンネマンにかける言葉も見つからない。かつて生きる道を示してくれたジンネマン、彼がいなかったら今の自分はいない。複雑な想いをぶつけるバナージだったが、ジンネマンの折れた心を再びつなぎ合わせるには時間が必要だった。変わるために何かを失ってゆく・・・、だけど、代わりに手に入ったものもあるはず。そう言葉を残すバナージ。バナージの言葉はジンネマンに届くのでしょうか? このあと、バナージとミネバが通路で出会い、ラブラブになってしまうシーンがあるのですが、もう自分的にはどうでもいいので割愛(笑 ■あなたにしか語れない言葉がある 後手に回ってしまったビスト財団サイド。「箱」の隠匿先がメガラニカであったとは、灯台もと暗しということか。欺かれたマーサは指をくわえながら反撃の方法に思いを巡らせる。そんな様子をレーザー回線を通して眺めるアルベルト。もうだめかも・・・アルベルトがボンヤリ思いを巡らせた時、「最後の手段を使う」とマーサが告げるのだった。 いよいよ決戦の時が近づきつつあった。司令席におさまったミネバは、展開中のネオ・ジオン艦隊に呼びかける。一方が一方を征服しても問題の解決にはならない、互いに壁を築いて無視すればいいというのも違う、変わることを怖れず心に従う勇気を示して欲しい・・・と。 ユニコーンに搭乗するためデッキを急ぐバナージ。デッキではフルアーマー化されたユニコーンが威容をたたえていた。取り付けられた銃器の照準はオートでユニコーンが判別するので問題ないと語るタクヤ。データ解析するアーロンもユニコーンのエネルギー源はバナージ自身だと告げ、気力が保てればユニコーンは応えてくれると励ます。更に、クシャトリアと連携で動けば、バンシィと共鳴したように、力が増幅されるかも知れないという。 マーサの「最後の手段」って、もうアレしかなさそうなんですが、一財団がそんな大量破壊兵器持ってたらまずいだろ!とも思うのですが、失敗したらそれこそビスト財団おとり壊しになるでしょうねえ。もう、マーサは「箱」に拘るあまり、損得勘定がトチ狂ってしまっているような・・・。そして、アルベルトはマーサとの肉欲関係もすっかり醒めてしまっていて、マーサの言動から、もうダメかも、と直感で感じているあたり、かなり冷静に状況を判断している様子。しかし、「最後の手段」のセリフに動揺してしまうあたりは、やっぱり小物キャラか。この先、どう立ち回ってくれるのか、楽しみになってきましたね。 フルアーマー化が施されたユニコーンについては、どうなんでしょうかね?もう、「僕の考えた最強のがんだむ」みたいな感じで、福井さん暴走モードだと思うのですが、いかがなものか。しかもサイコフレームによる感応波の物理変換なんたらとか、共鳴現象とかファンタジーすぎる要素面に頼りすぎかも。まあ絶対的な戦力差を覆すには、そういった要素を加えてやらないと、しょうがないのかも知れませんが・・・。 ネオ・ジオン艦隊に向け、アナウンスするミネバについては、ありがちな展開ではあります。で、実際の効力は?と問われると、相手が本物かどうか判別できない声に、反応する人はいないでしょうね。物語の展開的に挿入したいのは分かりますが、正直別に演説なくてもいいでしょう。まだリン・ミンメイのオンチな歌の方が、相手の気合いを萎えさせて効果があったかも。 ■待ってる。みんなで 皆が見送る中、出撃するユニコーン、そして後を追うマリーダが搭乗するクシャトリア。ネオ・ジオン艦隊から発射された長距離ミサイルがネェル・アーガマを迎撃するが、クシャトリアのファンネルがそれを捉える。 戦闘の火ぶたが切られた頃、ゼネラル・レビルから発進する一機のベースジャバー。機体には積めるだけのサイコフレームがあった。サイコフレームの共鳴現象でバンシィを側面援護しようというアルベルトだったが、彼の心にはマリーダへの諦められない想いが残っていた。 暗礁宙域で絶対の自信を誇るテニスンだったが、戦端が開いてからわずか30分、既にブリッジス隊が抜かれ、旗艦「ガロム」も攻撃に晒されていた。たった一機のMSに、味方艦隊が操舵不能に陥っていく悪夢!「白い悪魔か・・・」と呻くテニスンだった。 一方、暗礁宙域に至る前に、おびただしいデブリの群れに遭遇するトライスターのメンバー。そして流れてくる女性の声・・・。知らないことが山ほどあるが、ネオ・ジオン艦隊と連邦の艦が戦っているのなら、やることは一つしかない!と、ナイジェル達は戦場へと飛翔する。 いよいよ決戦の火ぶたが切られた。ネオ・ジオン艦隊、MS群の攻撃をかいくぐりながら、次々と撃破してゆくユニコーン&クシャトリア。「戦いは数だよ」という故ドズルの言葉を全否定するかのようなバナージの活躍。自信家テニスンも真っ青です。というか、初登場のテニスンにも、もう少し活躍の場を与えてやれよと思うのですが・・・。 同じ頃、ゼネラル・レビルではアルベルトがリディの応援に出撃。サイコフレーム担いで、バンシィのサイコフィールドを補助するつもりのようですが、果たしてうまくいくのでしょうか? そういえば、今月はリディ出てきませんでしたよね。もう終盤まで来たら、邪魔なキャラでしかないような気がしますが、最後の最後で「00」一期のグラハムみたいな見せ場があるのかな?どうでもいいキャラだけど、最後のセリフが面白かったら許すよ。 そして、忘れかけていたトライスターのメンバーも、ここに来て再登場。ユニコーンとからんで最後の見せ場を提供してくれそうです。この展開ちょっとワクワクしてきたかも。 ■終わりだな、バナージ・リンクス! ユニコーン&クシャトリアの大活躍の結果、大ダメージを受けるネオ・ジオン艦隊。殿にいるカジュマル隊は、フロンタルにインダストリアル7へ出発するよう促す。しかし、フロンタルはここで出撃を通達、アンジェロ等親衛隊と共に出撃する。 クシャトリアとはぐれ、一機で戦い続けるユニコーンだったが、強い疲労がバナージを襲っていた。一瞬の気の緩みから敵MSの攻撃に窮地に陥るユニコーン。ついにはNT-Dのサインが明滅しタイムリミットが示される。限界か・・・、敵MSが迫るその時、トライスターが応援に駆けつける。ユニコーンのガード役たるジェスタ。本来の役割の姿を見せるユニコーン&ジェスタは、絶妙の連携を取り敵を倒してゆく。 しかし、それも束の間、ユニコーン等に迫るアンジェロのローゼン・ズールの姿が!インコムを巧みに操り、オールレンジからの攻撃がユニコーンを襲う。インコムの攻撃をすり抜け、再びデストロイモードへ切り替えようとするバナージだったが、ローゼン・ズールの新たな武器「サイコ・ジャマー」がサイコミュを遮断する。灼熱に染まるユニコーンの機体、果たしてバナージは・・・! あっという間に艦隊を撃破しちゃったバナージ達。「そんな馬鹿な!」と思ったのは、劇中のテニスンだけではなかったでしょう。ユニコーン強すぎでしょう、福井さん・・・。「白い悪魔」伝説を彷彿とさせたい気持ちはわかりますが、ちょっと戦力バランスを一気にひっくり返してしまえるのには萎えるかも。 でも、本来の開発時のコンセプトである、ユニコーンを守るジェスタという連携の構図が、ここで見られたのは面白かったかも。といっても、ほんの一瞬の合間でしたが。アンジェロとか、フロンタルが来たら、ジェスタ意味無し状態なのはガッカリだな。 終盤はアンジェロがハッスルしてバナージを追い詰めます。「サイコ・ジャマー」というネーミングはさておき、「逆シャア」でもギュネイが使っていたような気がしますが、違うかな。アンジェロとの決着は次号でつきそうな予感。 そして、「最後の手段」を着々と進めるマーサ&ローナン。しかし、インダストリアル7には、アルベルトやリディも向かっているのを二人は知らない。あと連載は残り2回。どんな結末を迎えるのか?次号をお楽しみに。 2009/04/05 shinji
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