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機動戦士ガンダムユニコーン
MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN
0096/sect.3 パラオ攻略戦 2

福井晴敏 (著)・安彦良和(キャラクターデザイン)

  1. ユニコーンガイド キーワード集 [1] [2]
  2. プロローグ
  3. 0096/sect.1 ユニコーンの日 [1] [2] [3] [4] [5]
  4. 0096/sect.2 赤い彗星 [1] [2] [3]
  5. 0096/sect.3 パラオ攻略戦 [1][2][3]
  6. 0096/sect.4 ラプラスの亡霊 [1][2][3]
  7. 0096/sect.5 重力の井戸の底で [1][2][3]
  8. 0096/sect.6 黒いユニコーン [1][2][3]
  9. 0096/sect.7 宇宙と惑星と [1][2][3]
  10. 0096/FinalSect 虹の彼方に [1][2][3][4]
機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]4 パラオ攻略戦 機動戦士ガンダムUC (4) パラオ攻略戦 機動戦士ガンダムUC 3

留まっていても、次の事態は生まれない
走り出してみなければ

今回は、帰還途中にある輸送艦[アラスカ]から、リディ&ミネバを中心とした脱出劇と、RX-0[ユニコーン]及びそのパイロット[バナージ]を奪還すべく、ネェル・アーガマ隊とエコーズ隊との共闘による[パラオ]攻略戦がスタート。挿絵など含め53ページとわりと長めの掲載でした。

カトキハジメによるメカ解説ページ2頁は、各勢力の戦力図を紹介。もう一つは、2007年12月発売予定(予価5250円)のMGユニコーン続報が4ページ。全体写真、武装類掲載。パッケージ写真等あります。組み立て説明書には設定イラスト・MG開発原稿・福井氏とカトキハジメのインタビューなどが収録予定です。

また、第3巻「赤い彗星」が2007/12/26発売予定、第4巻特装版が2008年4月26日発売予定、この特装版にはMGユニコーンに装備出来る「ビームガトリングガン」が付属。完全受注生産と書かれているので、予約しないと手に入らないのかも?(予約締切2008年1月25日)



01.物語について

・・・冗談だと思いたいな

ユニコーンを調査する技術士官と、その説明を聞くフロンタルとアンジェロ。ラプラス・プログラムがNT-Dの発動により動作し、段階的に情報を開示する(おそらくは「ラプラスの箱」の所在を示す)仕組みだろうと推測する。苛立つアンジェロは強制的に暗号解除する方法はないかと詰め寄るが、強引な解読はデータ消去につながると技師は告げる。フロンタルは現時点で示されている座標を確認し困惑するのだった。

チェックポイントアンジェロにトコトン嫌われたバナージ。アンジェロはバナージ排除のために技師の話に割り込むが、パイロット認証とラプラス・プログラムは密接に絡んでおり、解除は難しいみたい。落胆するアンジェロをよそに、技師はまだ話を続けているのですが・・・「妙な構造・・・」云々の件、アンジェロ聞き流すなよ(笑)重要なキーになる話だったかも知れんのに、気になるじゃん!

それに引き替え、フロンタルは入念に座標の確認。でも場所は読者に開示されず・・・うーん、フロンタルが困惑する場所ってどこさ?冗談みたいな場所・・・サイド3(旧公国)とか?たぶん宇宙なんだろうけど、気になります。

おれに命を預けてもらいたい

4月12日AM0:25 ネェル・アーガマへの補給を終えた補給艦アラスカは、リディやミネバ、民間人を乗せ月へと帰航する途上にあったが、平穏を打ち破る警報が鳴り響く。捕虜収容区での火災警報に、派遣された情報局員が対応に動くが、リディ少尉の罠にはまり、あえなく失神。艦内に充満する煙に紛れ、リディ・ミネバ・タクヤ・ミコットはランチで脱出を図るが・・・。

チェックポイントリディにだまされる情報局員が間抜けすぎる。まったく警戒感がないんだもん。まあ、このシチュエーションは、4人を脱出させるためにはしょうがないでしょうけど。あまりにも簡単にランチで脱出したので拍子抜けの部分がありますが、リディの計画が優れていたということでしょうか。MSの追跡劇のあたりも面白かったですが、ほぼ予想通りデブリ群に隠れてやり過ごすというネタはもう少し工夫して欲しかったかな。

タヌキ親父はそこにいないのか!?

ユニコーン奪還作戦を目前に、ネェル・アーガマでは作戦準備に追われていた。アーガマ一隻で拠点パラオを攻撃するために、ハイパーメガ粒子砲を使おうというのだ。しかしこの作戦は、全動力をメガ粒子砲に回すため、その間は身動きを取ることが出来ないという諸刃の刃。

ユニコーンとバナージのために、クルーを犠牲にする可能性もある。迷いを隠せないオットーに、レイアムは息子の写真を見せつつ、民間人救出のために命をかけることは、胸を張れることだと告げるのだった。その頃、アーガマに近づく一隻の船が・・・。

チェックポイントここではハイパーメガ粒子砲の説明が半分近くを占める。そして意外に早い場面でレイアムとオットーがクルーとして信頼感を深めていく描写。もう少し一悶着があってからと思ってましたが、意外と展開が加速しているのかも。

やめられないのかな。戦争

パラオに居るバナージへ場面転換、暇を持てあますバナージは、砕石用のベルトコンベアの修理を行ったり、子供達と遊んだり。そんな折、バナージに近づく潜入スパイの影。男はバナージにモニターシートと発信器を手渡し足早に姿を消す。「パラオが戦場になる!」バナージは弾かれたように駆けだした。

チェックポイント捕虜になってるくせに、平穏な日常を送るバナージ。緊迫するアーガマとは対照的。さらに、ティクバとのやり取りでは子供に論破(?)され、再びへこむバナージ。引き続きヘタレっぷりをみせてくれます。が、ストーリーも一転、連邦スパイとの接触。インダストリアル7と同じように、パラオも戦場になってしまう!止めさせなければと、動き出すバナージだが、捕虜がああも簡単に抜け出せてしまっていいものでしょうか?(笑)止めろよジンネマン・・・と、読みながら思いました。

死がシャアの名前を伝説にした

バナージとスパイとの接触を知りながら見過ごすフロンタル。バナージが再びユニコーンに乗るのはフロンタルの計算の内らしい。一方、フロンタルはパラオの総督である、ペペ・メンゲナンの公邸に訪れていた。ミネバ不在を見透かしながら、フロンタルの正体に探りを入れるペペ。そんなペペに対してフロンタルは「パラオを去る」と告げるのだった。

チェックポイントこのパートはパラオ総督である、ペペの素性とベルガミノ一族とのつながりなどが語られ、ミネバ不在にツッコミを入れつつ、フロンタルがシャアなのかどうか、探りを入れるペペ。再びキャスバルを祭り上げられれるならば・・・という打算が見え隠れするが、フロンタルは冷たくペペを切り捨てる。フロンタルの語りでは、「シャアは死んだ」、「興味ねえ」という程度で、正体に近づくというセリフでもないですね。彼の正体に迫るのはまだ先になりそうです。

ドジるなよ。ダグザがみているのだからな

4月12日 15:28  いよいよ「ビリヤード作戦」のスタート。まずは手始めにエコーズによる工作が始まる。デブリに扮したダミー・バルーンに2機のロトが入り込み、パラオに侵入。工作員が連結シャフトにプラスチック爆弾を取り付けてゆく。一方、フェイズ2に移行するアーガマでは、リディ少尉がデルタプラスに搭乗、出撃しようとしていた。

チェックポイントいろいろと戦略が細かく描写されていいね。工作員の事前作業とか、ロト潜入とか。ちょっとワクワクする。アーガマに舞い戻ったリディ少尉はこの後どうする気なんだろう?と思っていましたが、まんまとデルタプラスのパイロットに納っちゃって・・・ツイてるってセリフでフォローしてますけど、かなり強引な展開じゃないですか?福井さん(苦笑)

そしてこのデルタプラスでミネバを連れ地球へ逃亡するつもりらしい。なるほど、それは妙案!考えてませんでした。ただし、リディの親父が協力してくれる可能性は低そうですけど。しかし、リディもかなりハチャメチャなキャラクターだな。軍人とは思えん行動だ。

おれもおまえもここにいてはいけない

エコーズ工作員の作業も終わり、攻撃に入るネェル・アーガマ。全速でパラオに突き進み、全動力をハイパーメガ粒子砲へ繋ぐ。激しい閃光がパラオを直撃、連結シャフトが粉砕され、衝撃で小惑星が次々にぶつかり合う・・・その様はまさに「ビリヤード」、そして一方のバナージはユニコーンに向かって跳躍する。

チェックポイント「ビリヤード作戦」とは考えましたね。パラオの構成を利用した作戦、なかなかのアイディアで面白いです。これならアーガマ一隻での攻撃でも大ダメージを与えられますしね。でもこの攻撃でユニコーンが巻き込まれて大破、とか考えなかったんでしょうかね?それとも事前にスパイからユニコーンの格納場所を確認していたとか?まあ、そこまで考えると、展開が行き詰まるかな~。

一方で、フロンタルの意図通りユニコーンへ乗り込むバナージ。ラプラス・プログラムを起動できるのはバナージだけなので、フロンタルに利用されるんでしょうねえ。どこまでもつてない男バナージ・・・。

さて、次回で「パラオ編」を終えて、その次くらいで地球へ舞い降りる展開でしょうか?そのためにリディとミネバをデルタプラスに乗せタンでしょうしね。拠点であるパラオを放棄したフロンタルがこの先どうしようというのか?、リディやミネバが地球降下してからの方が展開は面白くなりそうな予感します。

2007/11/25 shinji

03.登場人物ほか用語一覧

その他キーワード集はこちら
  • ムサカ級・・・軽巡洋艦クラスの戦艦 上面から見下ろせば戦端の鋭い二等辺三角形の形状をしており、レウルーラ級戦艦の縮小版といった印象を持つ。特徴的なのは船尾に装備された放熱パネルが二枚、翼のように左右両舷に張り出している点だが、これは熱核エンジンからの放熱を効率的に捌き、機動力を向上させるための構造である。
  • アイリッシュ級・・・戦艦、輸送艦アラスカの護衛についた。
  • OBA・・・非常用の酸素呼吸器。
  • ハイパーメガ粒子砲・・・ネェル・アーガマに装備、あまりの大きさから艦内に納めることが出来ず、第一カタパルトデッキの直下、艦艇部にむき出しになる格好で配置されている。理論上、コロニーレーザーに匹敵する威力を持つ、拠点攻撃用兵器。一撃で大型戦艦を葬れるのは無論のこと、照射角の変更次第では一艦隊を消滅させるだけの威力を持つ。

    ただし、一回の射撃で艦の全動力を消費し尽くす燃費の問題があり、他のメガ粒子砲が使用不可となるほか、操舵すらおぼつかなくなる。連射性能はなく、一度の戦闘で使用できるのは一回限り。

    直径10M、20M強に及ぶエネルギーコンデンサを含めると全長50M、口径18M
  • ペペ・メンゲナン・・・パラオの総督。浅黒い顔、脂肪を蓄えた巨体、トーガ風の衣装、成金趣味。ジオン信奉者。

    先祖はアステロイド・ベルトの開拓に生涯を費やした。宇宙放射線病で早くに父を亡くし、母や兄弟達と貧困に窮したが、労働組合の代表に就任。劣悪な労働環境の改善に努める一方、デモやストライキを煽動し政財界に自分の存在をアピールすることに成功。

    戦時中には艦艇修理で財をなしたベルガミノ一族と関係が深く、サイド6政府との腐れ縁もある。
  • ベルガミノ・・・戦時中、艦艇修理で財をなした一族。修理業に用いられた鉱物資源の大半はペペが横流ししたものと言われている。サイド6に多数の浮きドックを擁し、連邦とジオンの双方を顧客にしていたベルガミノ造船の背景には、アステロイド・ベルト労組を自在に操れるペペの存在があった。戦後ベルガミノは隠遁。
  • EWAC・・・早期警戒機
  • アイザック・・・RMS-119 早期警戒機の役割を果たすモビルスーツ 戦後、連邦軍が正式に採用したRMS-106ハイザックをベースに電子戦に特化した機体として生まれ変わった。ザクに酷似した形状をもつ。モノアイ式頭部と一体化したレドームは直径10Mを下らず、遠目には大きな帽子をかぶった人のようにも見える。
  • ハイザック・・・RMS-106 戦後、連邦軍が正式に採用したモビルスーツ
  • ランドムーバー・・・携帯用バーニア
  • ガザC・・・AMX-003 GAZA C 作業用MSから発展したグリプス戦役時代のネオ・ジオン主力MS
  • ガザD・・・AMX-006 GAZA D ガザCを格闘戦を主体に発展させた機体。可変モビルスーツ メガ粒子砲の砲身をそのままボディにしたような形状。変形時は両腕が背部に折り込まれ、突き出た足で砲身を支える。移動砲台として使用。
  • スタークジェガン・・・双肩に三連装ミサイルランチャー、ブースターユニットを背負った特務仕様のジェガンの通称。腰部と脚部にも追加装甲が施されている。
  • SHMX・・・絶対零度に近い温度でも使用可能なプラスチック爆弾。設置箇所に応じて形を整えることが可能。切断したい箇所には薄い菱形に成形したダイヤモンド・チャージを、誘爆させたい箇所には貫通力に優れたプラッター・チャージを使用する。

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